親泊康晴

親泊康晴：沖縄県那覇市の革新市政を担った政治家

親泊康晴（おやどまり こうせい）は、1926年（大正15年）8月28日に生まれ、2005年（平成17年）4月11日に没した日本の政治家です。1984年から2000年までの16年間、沖縄県那覇市長を務めました。

生い立ちと経歴

那覇市で生まれた親泊は、九州医学専門学校（現在の久留米大学医学部）を中退後、琉球政府で行政官としてのキャリアをスタートさせます。1968年に琉球政府総務局行政部地方課長、総務部長、企画部長、財政部長、労政課長を歴任し、1976年には那覇市助役に就任しました。

那覇市長として

1984年、沖縄社会大衆党、日本社会党、日本共産党の推薦と公明党の支持を受け、那覇市長選に立候補。「平和都市づくり」をスローガンに、4期16年にわたる平良良松革新市政の継承を訴え、自民党と民社党が推す前沖縄県副知事の比嘉幹郎を破り、初当選を果たしました。

親泊市政では、沖縄県初の情報公開制度を創設し、対潜水艦戦作戦センターの情報公開にも取り組みました。那覇市軍用地違憲訴訟にも関与し、憲法に基づく平和な街づくりを推進しました。また、パレットくもじ市街地再開発や新都心地区開発など、基地跡地の有効活用を進め、県女性室の設置、1985年のNAHAマラソンの開始も実現しました。

4期16年の市長任期を全うした後、2000年に引退を表明しました。

退任後

2001年には、長年の功績が認められ、勲三等瑞宝章を受章しました。市長退任後は、日米地位協定改定の実現を求めるNGOの共同代表を務め、革新の立場から県政・国政に影響力を保持しました。2004年の第20回参議院議員通常選挙では、当時の国政野党が推す糸数慶子陣営の選対本部長として、糸数の当選に貢献しました。

2005年4月11日、肺癌のため那覇市の自宅で死去。78歳でした。死没日をもって正五位に叙され、同年4月26日には、その功績を称えられ、那覇市名誉市民として顕彰されました。

著書

親泊康晴は、自身の市長としての経験をまとめた著書『心 水の如く 那覇市政十六年の回想』（沖縄タイムス社、2002年）を出版しています。

まとめ

親泊康晴は、那覇市長として、情報公開制度の創設や基地跡地の有効活用など、数々の実績を残しました。また、平和な街づくりを目指し、退任後も日米地位協定改定運動や選挙活動で積極的に活動しました。その生涯は、沖縄の政治と社会に大きな影響を与えました。

参考文献

* 『新訂 現代政治家人物事典：中央・地方の政治家4000人』日外アソシエーツ、2005年。

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