訳経史区分

訳経史区分とは

訳経史区分とは、中国における仏典の訳経史、すなわちサンスクリット語などで書かれた原典が漢訳されてきた歴史における時代区分を指します。

旧訳と新訳

この区分において、唐代の玄奘三蔵以後の訳経を新訳（しんやく）と呼び、それ以前の訳経を旧訳（くやく）と呼びます。玄奘三蔵は、旧訳には誤りや訛りが多いとして批判的な立場を取っていました。

古訳

訳経史の研究においては、鳩摩羅什以前の訳を特に古訳（こやく）と呼び、旧訳からさらに区別することがあります。古訳の時代には、以下のような訳経僧が活躍しました。

安世高（あんせいこう）：後漢代に活動。
支婁迦讖（しるかせん）：後漢代に活動。
支謙（しけん）：呉代に活動。
竺法護（じくほうご）：西晋代に活動。

これらの訳経僧たちは、初期の仏教経典の漢訳に大きく貢献しました。

訳経史区分の意義

訳経史区分は、仏教経典の受容と発展の歴史を理解する上で重要な枠組みを提供します。時代ごとの訳語や表現の違いを把握することで、より正確な経典解釈が可能になります。また、各時代の訳経僧の活動を知ることは、当時の社会や文化における仏教の位置づけを理解することにも繋がります。

関連項目

* 訳経僧

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