諏訪敦彦

諏訪敦彦について

諏訪敦彦（すわ のぶひろ、1960年5月28日生まれ）は、日本の映画監督であり、特に即興的な演出スタイルにその名を知られています。彼は2008年から2013年まで東京造形大学の学長を務め、現在は東京藝術大学で教鞭を執っています。

来歴

諏訪は広島県広島市佐伯区で育ち、広島市立五日市中学校を経て広島県立廿日市高等学校を卒業しました。大学へは、かわなかのぶひろの影響で東京造形大学のデザイン学科に進学し、この時期からインディペンデント映画の制作に携わります。卒業後は、石井聰亙や山本政志、松井良彦、山川直人などの作品に関与し、テレビドキュメンタリーの演出も手掛けました。彼のキャリアは1985年、映画『はなされるGANG』がぴあフィルムフェスティバルに入選したことから本格化しました。

さらに、1981年から自主制作映画運動の促進を目指す活動を行い、仲間たちと共にQMF（Quest Movie Factory）を結成、広島を拠点に多くの自主制作映画の上映会を企画しました。その後、1996年には長編映画『2/デュオ』で監督デビューを果たします。この作品では、シナリオなしでの即興演出を採用し、国内外で高い評価を受けました。

1999年には『M/OTHER』を発表し、第52回カンヌ国際[[映画祭]]で国際批評家連盟賞を受賞するなど、彼の名声は一層高まります。また、この作品では西川美和が助監督として関わっていました。その後、アメリカ人ドキュメンタリー監督ロバート・クレーマーに師事し、広島を舞台にした共同製作の計画を進めていたものの、クレーマーの死によりその夢は途絶えました。

2000年に発表した『H story』では、アラン・レネ監督の名作『二十四時間の情事』をリメイクし、故郷・広島をテーマにした作品で注目を集めます。この年には、石井聰亙監督の『五条霊戦記 GOJOE』にも参加し、原案や俳優としても関与しました。

2002年には文化庁の新進芸術家在外研修員としてパリに留学し、同年4月には母校の東京造形大学に着任します。2005年に発表した『不完全なふたり』は、フランス人キャストとスタッフで制作され、第58回ロカルノ国際[[映画祭]]で審査員特別賞を受賞しました。

2006年には『パリ、ジュテーム』の一篇に参加し、監督としてのセンスがさらに磨かれました。彼のフィルモグラフィーは多岐にわたり、様々な長編映画や短篇映画、テレビドキュメンタリーの作品を世に送り出してきました。

2009年にはイポリット・ジラルドとの共同監督による『ユキとニナ』が第62回カンヌ国際[[映画祭]]に出品されますが、2013年には健康の問題から東京造形大学の学長職を退くこととなりました。2020年には『風の電話』が第70回ベルリン国際[[映画祭]]で特別賞を受賞した他、芸術選奨文部科学大臣賞も獲得し、彼の功績は評価されています。

フィルモグラフィー

長編映画

• - 2/デュオ（1997年）
• - M/OTHER(1999年）
• - H story（2001年）
• - 不完全なふたり（2005年）
• - ユキとニナ（2009年）
• - ライオンは今夜死ぬ（2017年）
• - 風の電話（2020年）
• - 走れない人の走り方（2024年） (出演)

短篇映画

• - A Letter from Hiroshima (2002年)
• - ヴィクトワール広場（2006年）
• - 黒髪（2010年）
• - 世界の質量 (2016年)
• - アルビオンスキンコンディショナー エッセンシャル45周年 ショートムービー (2018年)

テレビ

• - ハリウッドを駈けた怪優/異端の人・上山草人（1995年、東日本放送）

彼の作品はその独自のスタイルと表現力で多くの観客を魅了し続けています。

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