諫早武春

諫早武春について



諫早武春は、江戸時代後期の肥前国佐賀藩に仕えた武士であり、諫早鍋島家の15代当主です。諫早家は、龍造寺隆信の又従兄弟である家晴の子孫であり、藩主鍋島氏の旧主君である龍造寺氏の一族でした。しかし、鍋島氏を憚って諫早氏を称していました。家紋は「上り藤」であり、代々藩主から「茂」の字を拝領する慣例がありました。佐賀藩内では親類同格の家格を有し、龍造寺氏一族としての影響力は大きく、大名並みの二万六千石の知行を有していました。

生涯



弘化4年(1847年)3月30日、諫早邑主14代・諫早茂喬と正室・於民(藩主鍋島斉正の妹)の長男として誕生しました。幼名は父と同じ益千代と名付けられました。嘉永元年(1849年)2月25日に父・茂喬が亡くなると、幼少であった益千代に代わり、叔父の諫早茂孫が家督を相続しました。その後、嘉永5年(1853年)3月に茂孫が隠居したため、6歳という若さで益千代が家督を継承しました。幼少の当主を補佐するため、母・於民の兄であり、藩主鍋島斉直の庶兄である神代賢在が家政を監督しました。

長崎に異国船が頻繁に現れるようになったため、藩主斉直は長崎港の警備を強化する必要性を感じ、長崎に近い領内矢上村に家臣を駐屯させることを命じました。また、長崎防備のための費用を捻出するため、領内尾島などの干拓開墾が許可されました。安政5年(1858年)5月には、長崎港警備に尽力したことを藩主斉正から賞されています。万延元年(1860年)には、藩主・鍋島斉正の次女である恒姫と婚約しました。

しかし、文久2年(1862年)7月8日、16歳という若さで亡くなりました。菩提寺である天祐寺に葬られ、家督は叔父の諫早一学が相続することになりました。

参考文献



諫早市
中野礼四郎 編『鍋島直正公伝. 第4編』 - 国立国会図書館デジタルコレクション

参考リンク



小城藩日記データベース
諫早市美術・歴史館「諫早家ゆかりの品々展」

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