貴生川駅

貴生川駅：3路線が交差する滋賀の交通拠点

貴生川駅は、滋賀県甲賀市水口町虫生野に位置する、JR西日本草津線、信楽高原鐵道信楽線、近江鉄道本線の3路線が接続する重要な交通拠点です。信楽高原鐵道信楽線においては起点駅、近江鉄道本線においては終点駅として機能しており、近江鉄道の駅番号はOR37です。

歴史

JR西日本

貴生川駅は、1900年12月29日、関西鉄道線の三雲駅～深川駅（現在の甲南駅）間に開業しました。その後、1907年の関西鉄道国有化を経て、帝国鉄道庁（国鉄）の駅となりました。1909年には線路名称制定により草津線所属となり、その後、貨物取扱廃止（1971年）、荷物扱い廃止（1984年）、橋上駅舎化（1986年）、貨物取扱再開（1987年）、JR貨物駅廃止（1999年）といった変遷を経て現在に至ります。自動改札機設置（1999年）、ICOCA対応（2003年、2018年）、みどりの窓口の営業終了とみどりの券売機プラス導入（2020年）、JR西日本交通サービスへの業務委託（2021年）など、近年も駅設備の改修やサービスの改善が進められています。2019年には中線の線路撤去も行われました。

信楽高原鐵道

信楽高原鐵道の信楽線は1933年5月8日、貴生川駅～信楽駅間で開業しましたが、1943年には不要不急路線として休止、1947年に運行を再開しました。1987年の国鉄分割民営化によりJR西日本の駅となり、同年7月13日には信楽高原鐵道へ路線が転換されました。1991年には列車衝突事故が発生しましたが、同年12月8日に運行を再開しています。

近江鉄道

近江鉄道本線は1900年12月28日、日野駅～貴生川駅間で開業し、翌日には関西鉄道線との接続駅となりました。1944年には八日市鉄道を吸収合併し、路線名が本線に制定されました。1972年には国鉄貴生川駅との貨物中継が廃止されています。

駅構造

JR西日本・信楽高原鐵道

JR西日本と信楽高原鐵道は、地上駅で橋上駅舎を持ち、JR用の相対式ホーム2面2線と、信楽高原鐵道用の切欠きホーム1面1線、計2面3線のホームを有しています。ホーム間の移動は跨線橋で行います。両社で構内を共用する共同使用駅となっており、JR西日本が管轄しています。JR西日本交通サービスが業務委託を行い、みどりの券売機プラスが設置されています。JRのホームにはICOCA対応の自動改札機があります。JRと信楽高原鐵道間の乗換は改札不要ですが、ICカード専用の出入口が設置されています。信楽高原鐵道の利用には、改札外の乗車駅証明書発行機で証明書を発行し、下車時精算するシステムです。かつてはJRと信楽高原鐵道の線路が直通運転中止後も繋がっていましたが、現在は連絡線が撤去され、分断されています。

近江鉄道

近江鉄道は地上駅で島式ホーム1面2線を有し、橋上駅舎の改札外通路から階段でホームへアクセスする構造です。JR1番線と近江鉄道1番線間には、かつて貨車の授受に使用されていた線路が残っています（現在は使用されていません）。

付記事項

JR線のホームは両方向からの発着が可能です。
2番線はかつて中線でしたが、2019年に線路が撤去されました。
2007年にはお召し列車の運転に合わせ、ホームやコンコースの改修が行われています。
駅北口と南口に立体駐輪場、北口には平面駐輪場も整備されています。
駅南口ロータリーには甲賀市コミュニティバスが発着します。デジタルサイネージも設置されています。
過去には西日本JRバスの路線や、デマンドバスなども運行していました。
駅にはデマンドタクシーも乗り入れています。

駅周辺

駅周辺は住宅地となっており、飲食店や駐車場なども点在しています。南側にはJAこうかや医療センター、北側には宗教施設などがあります。国道307号（近江グリーンロード）は跨線橋で立体交差しています。駅名は、かつての村名に由来しており、周辺に貴生川という河川はありません。

利用状況

貴生川駅は、JR草津線の途中駅としては最も利用者が多い駅です。（具体的な数値は統計資料を参照ください）

隣の駅

JR西日本 草津線
甲南駅 - 貴生川駅 - 三雲駅
信楽高原鐵道 信楽線
貴生川駅 - 紫香楽宮跡駅
近江鉄道 本線（水口・蒲生野線）
* 水口城南駅 - 貴生川駅

参考文献

本文中に記載されている参考文献は、駅の歴史や構造、周辺環境などを詳細に調査・記述する際に参照した資料です。（具体的な文献名などは本文中に記載）

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