赤とんぼ (童謡)

赤とんぼ

「赤とんぼ」は、作詞を三木露風、作曲を山田耕筰が手がけた、日本を代表する童謡の一つです。夕暮れ時に赤とんぼを目にした際に、過ぎ去った日々を懐かしむ心情が描かれており、その歌詞は多くの人々の郷愁を誘います。2007年には、「日本の歌百選」にも選ばれ、長きにわたり日本の人々に愛され続けています。この曲は、瀧廉太郎も制作に関わったという説も存在します。

概要

この童謡は、三木露風が1921年に、兵庫県たつの市で過ごした幼少期の思い出を基に作詞したとされています。同年8月に雑誌『樫の木』で発表された後、12月には童謡集『真珠島』に収録されました。1927年には山田耕筰が曲をつけ、現在の形となりました。たつの市には、この歌を記念した童謡の小径があり、記念碑が建てられています。また、埼玉県久喜市の久喜青葉団地内にも歌碑が存在します。

作曲者の山田耕筰が昭和初期に暮らしていた神奈川県茅ヶ崎市では、現在も防災行政無線で午後5時にこの曲のメロディーが流れています。

1955年の映画『ここに泉あり』、1961年の映画『夕やけ小やけの赤とんぼ』の挿入歌としても使用され、いずれの作品にも山田耕筰が特別出演しています。1965年にはNHKの『みんなのうた』でも紹介され、荒谷俊治の編曲、東京放送児童合唱団の歌、谷内六郎の静止画で放送されました。2016年現在、音声のみが発掘されています。

1982年には、俳優・お笑いタレントの斎藤清六がこの曲をカバーし、アルバムに収録しました。1984年には、ラジオ番組のリクエスト企画で1位を獲得し、1989年にはNHKの全国アンケートで1位に選ばれるなど、その人気を不動のものとしました。1990年には、B.B.クィーンズがアルバムでカバーしています。2003年には、NPOによるアンケートで「好きな童謡」の1位に選ばれました。

また、グレッグ・アーウィンによる英訳詞「Dragonflies」も存在し、彼の歌唱でアルバムに収録されています。

歌詞

歌詞に登場する「姐や」は、一般的には、家で子守をしていた女中を指すと解釈されています。「お里のたより」は、女中の故郷からの便り、または、故郷に帰った女中からの手紙と捉えられることが多いですが、女中を通じて母親からの便りとする説もあります。

旋律

旋律はヨナ抜きの5音音階で構成されています。1928年に出版された『山田耕作童謡百曲集. 2』には、5線譜と度数譜による旋律のみが記載されており、伴奏は含まれていません。曲の前半部分が、シューマンの『序奏と協奏的アレグロ』に酷似しているという指摘もされています。また、この歌のメロディーは当時のアクセント（「あ」が高くなる頭高型アクセント）を反映していると言われています。

編曲

鈴木奈美による編曲「秋の訪れ変奏曲」は、『おもしろ変奏曲にアレンジ! 〜日本のうた〜』に掲載されています。

関連項目

日本の合唱作品100選 - 篠原眞編曲の合唱版を所収
茅ヶ崎市

外部リンク

NHK みんなのうた - 赤とんぼ - 東京放送児童合唱団
赤とんぼ - YouTube - ゆめあるチャンネル
赤とんぼ - YouTube - ボンボンアカデミー
赤とんぼ - YouTube - ボンボンアカデミー
Dragonflies 赤とんぼ - YouTube - 歌：グレッグ・アーウィン

赤とんぼの碑

神奈川県茅ヶ崎市南湖３丁目１７
神奈川県茅ヶ崎市東海岸北１丁目４
神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎２丁目３

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