超感覚的知覚

超感覚的知覚（ESP）とは

超感覚的知覚（ちょうかんかくてきちかく、Extrasensory Perception）は、通常の知覚手段を超越した能力であり、ESP（イー・エス・ピー）とも呼ばれます。これは、五感や論理的な推論といった通常の知覚方法に頼らずに、外界に関する情報を取得する能力を指します。まれに「感覚外知覚」とも表現されます。

超能力の一種として認識されており、日本国外では一般的にPSI（サイ）という概念に包括されます。超心理学においては、超能力は主にESPとPK（念力）の二つに大別されます。

ESPの種類

超感覚的知覚には、一般的に以下の能力が含まれると考えられています。

テレパシー: 他者の思考や感情を直接的に感知する能力。
予知: 未来の出来事を事前に知る能力。
透視: 物理的な障害物を透過して物事を見る能力。
千里眼: 遠隔地の状況を知覚する能力。

従来の定義では予知は含まれていませんでしたが、新しい定義ではこれを含むとされています。

歴史的背景

超感覚的知覚に類似する現象は、古くから数多くの記録に見られます。例えば、六神通（サンスクリット語: abhijñā、パーリ語: abhiññā）には、同様の能力が含まれており、修行によってこれらの能力を獲得したとされる人物に関する記述が残されています。

ただし、このような能力に関する学術的かつ本格的な研究は、20世紀のJ.B.ラインによって開始されたと言えるでしょう。ラインは1934年に『Extra-Sensory Perception』を出版し、これが彼の最初の著書となりました。

1990年にプリンストン宗教研究センターが実施した調査では、アメリカ人の約半数が何らかの超感覚的知覚の存在を信じているという結果が出ています。

関連用語

超心理学研究者などは、超感覚的知覚の能力を持つ人々を「サイキック (psychic)」と呼ぶことがあります。また、SF作品では、ESP能力を持つ人物を「エスパー」（ESPER）と呼ぶことがありますが、これは主に作品内でのみ使用されるSF用語です。

批判的見解

化学者のアーヴィング・ラングミュア（1881 - 1957）は、ESPの研究を病的科学に分類しました。懐疑派協会のマイケル・シャーマー（1954 - ）は、現代の懐疑主義はデータ収集による検証に基づいており、超感覚的知覚は検証の結果、ほぼ毎回否定されているため誤りであると述べています。

関連項目

第六感
超ESP仮説
超心理学

外部リンク

石川幹人 「知覚心理の研究」 明治大学

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