足利義氏 (足利家3代目当主)

足利義氏について

足利義氏（あしかが よしうじ）は、鎌倉時代前期に活躍した武将で、鎌倉幕府の有力御家人であり、足利宗家の三代目当主です。「関東の宿老」と称され、武家の棟梁として名を馳せた源義家の玄孫にあたり、室町幕府初代将軍の足利尊氏は来孫にあたります。

生涯

足利義兼の三男として生まれ、母は北条時政の娘である時子です。三男ではありましたが、正室・時子の所生であったため、家督を継承しました。そのため、生涯を通じて北条氏と親密な関係を保ちました。幕府の要職には就任しませんでしたが、和田合戦や承久の乱など重要な局面で北条義時・泰時父子を補佐し、晩年には宝治合戦に至るまで、幕府の長老としてその覇業を支えました。また、自身の正室にも泰時の娘もしくは妹を迎え、家督をその子である泰氏に譲っています。

承久の乱では、三河国守護職を得て、日本の東西交流を牛耳る立場になりました。このことが、後の時代に子孫である尊氏が京の六波羅探題を攻略した際、鎌倉幕府勢が関東から東海道を上洛するのを足利家が三河国で阻止できた要因となりました。三河国では、源頼政の孫である大河内顕綱などを家臣に取り込み、勢力を拡大しました。庶長子である長氏を幡豆郡吉良荘（現在の愛知県西尾市）に住まわせ、足利氏の分家である吉良氏（後に今川氏が分家）を誕生させました。

義氏は、三河国守護職のほか、陸奥守、武蔵守などを歴任しました。仁治3年（1241年）に出家し、宝治2年（1248年）には結城朝光と幕府内での格の上下について対立しています。建長元年（1249年）には、正義山法楽寺（栃木県足利市）を建立しました。建長6年（1255年）11月21日に亡くなりました。

逸話として、父である義兼が、理真上人に依頼して変成男子の術法を行い、その結果、義氏が誕生したという伝承が残されています。

また、子孫である古河公方足利義氏が足利義輝より「義」の字を賜ったため、同名を名乗ることとなりました。

家族

父：足利義兼
母：時子（北条時政の娘）

兄弟
畠山義純 - 足利太郎
桃井義助 - 足利二郎
足利義氏 - 足利三郎
桃井義胤 - 足利四郎。異説として桃井義助の子とも。
女子（藤原親兼の室）
女子（野間朝氏の妻）

正室：北条泰時の娘
泰氏

生母不明の子女
吉良長氏 - 吉良太郎
吉良義継 - 足利左馬四郎
有氏 - 出家
最信 - 大御堂別当、大僧正勝長寿院別当
女子（新田政氏の妻）
女子（四条隆親の室）
女子

関連作品

テレビドラマ
『草燃える』（1979年、NHK大河ドラマ、演：小沢重雄）

脚注

参考文献
谷口雄太『足利将軍と御三家　吉良・石橋・渋川氏』吉川弘文館〈歴史文化ライブラリー559〉、2022年11月1日。ISBN 978-4-642-05959-6。
『尊卑分脈』 第三輯第十二囘、吉川弘文館、1904年6月25日。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/991591。

関連項目

西尾城
大河内氏（家臣）

外部リンク

足利市'>紙本著色　足利義氏像（しほんちゃくしょく　あしかがよしうじぞう） - 足利市
足利市'>足利義氏墓所（あしかがよしうじぼしょ） - 足利市

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