足長神社

足長神社は、長野県諏訪市四賀に位置する神社で、諏訪大社上社の末社として古くから信仰を集めています。かつては荻葺きの屋根であったため、荻宮とも呼ばれていました。神社の場所は、桑原城跡の山腹という自然豊かな場所にあります。

祭神

足長神社の祭神は脚摩乳命（あしなづちのみこと）です。脚摩乳命は、別名を足長彦神ともいい、諏訪大社の祭神である建御名方神に付き従う神とされています。日本神話においては、建御名方神の祖先にあたる奇稲田姫の父神としても知られています。また、諏訪市内には、脚摩乳命の妻神である手摩乳命を祀る手長神社も存在します。

歴史

『諏訪史跡要項』によれば、かつて桑原地域が1つの郷であった頃には、足長神と手長神が共に祀られていました。その後、上桑原と下桑原に分かれた際、それぞれの地域の鎮守の神として、足長神が上桑原に、手長神が下桑原に分祀されたと伝えられています。しかし、足長神社の鎮座する場所が足長山であること、また、『諏訪資料叢書集録』に収録された「神長本諏方上社物忌令之事下十三所名帳」に手長・足長の地名が見られることから、先に地名が存在し、その後に記紀神話の脚摩乳・手摩乳が結びつけられた可能性も指摘されており、合祀や分祀の経緯については不明確な点も残っています。

大同年間（806年-810年）には、諏訪大社上社の大祝の祖である御表衣祝有員（みそぎほうりありかず）が当社を崇敬し、広大な社殿を造営したとされています。これ以降、足長神社は諏訪大社の末社として位置づけられるようになりました。天正6年（1578年）の上社造営帳には、上桑原村の造宮によって建てられたと記録されており、天保13年（1842年）には改築が行われています。

文化財

足長神社には、以下の文化財が諏訪市によって指定されています。

拝殿、舞屋（有形文化財） - 昭和63年に指定されました。
本殿（有形文化財） - 平成6年に指定されました。

これらの文化財は、足長神社の歴史と文化を今に伝える貴重なものです。

現地情報

所在地: 長野県諏訪市四賀足長山5386
交通アクセス: 最寄駅は、東日本旅客鉄道（JR東日本）中央本線の上諏訪駅で、駅から徒歩約40分です。

参考文献

『日本歴史地名大系 長野県の地名』（平凡社）諏訪市 手長神社項
谷川健一 編『日本の神々 -神社と聖地- 9 美濃・飛騨・信濃』2000年 白水社

関連項目

諏訪市の神社
手長神社 （諏訪市茶臼山）
八剣神社 （諏訪市小和田）
手長足長
アシナヅチ・テナヅチ
四賀村

外部リンク

* 現人神名帳・足長神社（諏訪大社上社境外末社）'>現人神名帳・足長神社（諏訪大社上社境外末社）

足長神社は、その歴史と文化、そして豊かな自然に囲まれた、訪れる価値のある神社です。諏訪地方を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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