車敏洙

車敏洙（チャ・ミンス、차민수、1951年1月15日 - ）は、韓国ソウル市出身の囲碁棋士であり、プロのポーカープレイヤーとしても知られています。現在はアメリカ合衆国に永住権を持ち、ジミー・チャ（Jimmy Cha）として活動しています。韓国棋院とアメリカプロ囲碁協会に所属し、アメリカプロ囲碁協会では初代会長も務めました。囲碁の世界では、国際棋戦でアメリカ代表として出場し、数々の強豪棋士を破る活躍を見せ、注目を集めました。また、彼の波乱万丈な人生は、小説やテレビドラマ『オールイン』の主人公のモデルにもなりました。

生い立ちと囲碁との出会い

4人兄弟の末っ子として生まれた車敏洙は、8歳で囲碁を始めました。幼少期にはピアノ、バイオリン、水泳、卓球など、様々な習い事をしていましたが、囲碁は2年間中断しました。中学校で囲碁を再開し、アマチュア大会で優勝するなどの実績を上げ、注目されるようになりました。ソウル大学では経済学を専攻しました。

プロ棋士としてのキャリア

1974年、ソウル大学在学中に韓国棋院の初段となり、プロ棋士としてのキャリアをスタートさせました。翌年にはアメリカに渡り、ロサンゼルスで酒販売業などを経験した後、プロのカードゲームプレイヤーとして成功を収めました。1984年には韓国棋院から四段を贈られました。

国際棋戦での活躍

1989年の第2回富士通杯では、アメリカ代表として初出場し、本戦で山城宏、大平修三を破りベスト8に進出。翌年には趙治勲に勝利し、囲碁界に衝撃を与えました。この活躍により「車八強」と呼ばれるようになりました。2008年には韓国の棋戦GGオークション杯で5連勝を達成。韓国囲碁リーグでは2009年にハンゲームチームの監督を務めました。アメリカでは囲碁の普及にも尽力し、1995年には中国の囲碁棋戦「友情杯戦」を創設しました。

多才な才能

車敏洙は囲碁だけでなく、ポーカープレイヤーとしても成功を収め、1986年以降は年間100万ドルを稼いでいたとされています。また、絵画やカンフーにも才能を発揮するなど、多彩な才能の持ち主です。

主な棋歴

世界囲碁選手権戦富士通杯
1989年 ベスト8（○山城宏、○大平修三、×曺薫鉉）
1990年 ベスト8（○趙治勲、×聶衛平）
1996年（○結城聡、×馬暁春）
1997年（×兪斌）
1999年（○石井新蔵、×石田芳夫）
2000年（×劉小光）
2002年（○R・バンザイスト、×周俊勲）

東洋証券杯世界選手権戦
1992年（×金秀壮）

三星火災杯世界オープン戦
1996年（×王立誠）

春蘭杯世界囲碁選手権戦
2000年（×彭筌）
2001年（×楊士海）

応昌期杯世界プロ囲碁選手権戦
2004年（×周鶴洋）

北米マスターズ・トーナメント
1995年 準優勝（江鋳久に敗れる）
1998年 挑戦者（江鋳久に敗れる）

参考文献

大島正雄「アマ碁狂列伝17 M・チャ氏の巻」（『棋道』1989年7月号）

外部リンク

韓国棋院「車敏洙」

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