近衛兼嗣

近衛 兼嗣（このえ かねつぐ）

近衛兼嗣は、南北朝時代の北朝において活躍した公卿であり、近衛家の11代当主です。彼は、父の近衛道嗣から受け継いだ名家の伝統を背景に、多くの重要な官職を歴任しました。おそらく彼の公職から得られる影響力は、当時の政権においても決して小さくはなかったと考えられます。

経歴

兼嗣は貞治5年（1366年）に左近衛権中将として初めて官職に就き、次第にその地位を上昇させていきます。彼の官歴は、以下のように詳録されています。

• - 貞治5年：左近衛権中将
• - 貞治5年末から応安4年：右近衛権中将
• - 貞治6年から応安2年：播磨介
• - 応安2年から応安4年：権中納言
• - 応安4年から永和元年：権大納言
• - 永和元年から永和4年：内大臣
• - 永和2年から永和3年：左近衛大将
• - 永和4年から嘉慶2年：右大臣
• - 至徳4年から嘉慶2年：摂政（後小松天皇）

彼の官職の変遷は、彼自身の政治的能力や近衛家の力を物語っています。また、これらのポストは彼がいかにして権力の中枢に関わっていたかを示しており、時代の変革期における彼の影響を感じさせます。

位階歴

位階に関しても兼嗣は非常に高い地位に昇りつめました。初めは正五位下から始まり、最終的には従一位にまで達しました。

• - 貞治5年：正五位下
• - 貞治6年：従四位下、正四位下
• - 応安元年：従三位
• - 応安2年：正三位
• - 応安4年：従二位
• - 応安6年：正二位
• - 永和5年：従一位

これらの位階は、彼が多くの年にわたって官職を維持し、さらには地位を上昇させた結果として、貴族社会の中で如何に重要な位置を占めていたかを示しています。

家族と系譜

近衛兼嗣の家族についても興味深い事実がいくつかあります。父は近衛道嗣であり、母は洞院実夏の養女で洞院実世の娘です。家の名門としてのタイプを承継しつつ、彼は独自の家族を築きました。

彼の妻は家女房であり、子どもには近衛忠嗣の他に、生母が不明な男子として玄昭や良兼がいます。これにより、近衛家の系譜が途切れることなく受け継がれていったことがわかります。

参考文献

近衛兼嗣の詳細な経歴や家族については、『公卿補任』などの文献によって確認されており、彼の活躍は日本の歴史において確固たる足跡を残しています。彼の存在は、その後の政権や家系にも多大な影響を与えたことは言うまでもありません。

近衛兼嗣の物語は、南北朝時代における公卿の平安文明の重要な一部であり、彼がいかに時代を動かしたかを知る手がかりとなります。

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