近衛脩子

近衞脩子（このえ しゅうし）は、宝永3年（1706年）に生まれ、享保12年10月2日（1727年11月14日）に22歳の若さで亡くなった江戸時代の女性です。彼女は皇族である閑院宮直仁親王の御息所（妃）であり、第119代光格天皇の養祖母にあたります。また、閑院宮典仁親王の養母でもありました。

脩子は、関白を務めた近衛基熙の娘として生まれました。姉には江戸幕府6代将軍徳川家宣の正室となった近衛熙子がおり、兄には近衛家熙がいます。また、西本願寺16世宗主湛如の裏方（正室）となった治子女王の母でもあります。

生涯

脩子は、近衛基熙の二女として京都で生まれました。幼名は八百君（やおぎみ）といいます。生母については詳しい記録が残っていませんが、基熙の正室である常子内親王（後水尾天皇の皇女）が書いた「无上法院殿御日記」には、長女・熙子、長男・家熙、次男・大炊御門信名の出産記録はあるものの、脩子に関する記載がないため、家女房が生母であると推測されています。

幼名は初め「八十君」でしたが、正徳4年（1714年）9月に霊元法皇に吉子内親王が誕生し、その幼名を「八十宮」としたことから、急遽八百君に改名したという逸話が残っています。この件について、正徳5年（1715年）9月27日の『基熙公記』には、「八十君を数年来法皇はご存じだったにも拘わらず、正徳四年姫宮誕生の時、霊元法皇が八十宮とつけられたために自分の娘の名を八百君に改名しなくてはならなかった…世間はただ嘲弄するばかりだ」という記録があり、基熙がこの法皇の行為に驚き嘆いている様子が伺えます。

享保4年（1719年）に、閑院宮直仁親王に嫁ぎ、御息所となりました。翌享保5年（1720年）には、親王の長女である始宮治子女王を出産しています。治子女王は後に西本願寺16世湛如の裏方（正室）となり、延享4年（1747年）に28歳で亡くなりました。

享保12年（1727年）8月9日には、次女である蓮香院を出産しましたが、彼女は早世しています。そして、同年10月2日に、脩子自身も22歳という若さでこの世を去りました。彼女の遺骸は、京都市上京区にある廬山寺陵に埋葬されています。

近衞脩子は、短い生涯でしたが、皇室と公家、そして寺院という名家を結びつける存在として、歴史に名を残しています。

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