近鉄1420系電車

近畿日本[[鉄道]]1420系電車

1420系電車は、近畿日本[[鉄道]]（近鉄）が保有する通勤形電車です。VVVFインバータ制御の試作車として、1984年に1250系1251Fとして製造されました。ここでは、1420系の概要、走行機器・性能、車体デザイン、改造、編成・配置と運用について詳しく解説します。

概要

1420系は、近鉄初のVVVFインバータ制御車であり、架線電圧1500Vの鉄道線では初の新製VVVFインバータ車両です。この車両の登場により、モ1450形が引退しました。約1ヶ月半の試運転を経て、1984年10月31日に営業を開始しました。

当初は1250系（初代）を名乗っていましたが、1987年の量産車1250系（2代）1252F（現在の1422系1422F）登場時に区別するため、1986年10月1日付で形式名を1251系に改番。1990年には1230系の増備で番号が重複するため、1420系に再変更されました。電算記号は当初VC51でしたが、1420系への改番時にVW21に変更されています。

走行機器・性能

制御システムには、当時の世界最大級の高耐圧である三菱電機製の4,500V、2,000A GTOサイリスタ素子が使用されています。主制御器はSIV-G135形です。

主電動機には、三菱電機製の三相交流誘導電動機MB-5014A（165kW）が採用されました。これにより、従来の直流直巻電動機に比べて整流子やブラシが不要となり、メンテナンスが大幅に軽減されました。また、直流電動機や複巻電動機よりも約30%の軽量化を実現し、誘導電動機の特性から粘着率が高く、加減速性能が向上。回生制動の範囲も拡大しました。上り勾配での起動時には、周波数を一定にして電圧のみを制御する方式により、33‰の勾配でも円滑な起動が可能です。連続勾配下降時には抑速回生ブレーキを使用しますが、回生失効時には自動的に発電制動に切り替わるよう抵抗器が搭載されており、急勾配区間での安全性も確保されています。

制動装置は、抑速[ブレーキ]]・回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキ]方式を採用し、従来の界磁チョッパ車や抵抗[[制御車との混結も考慮されています。電空演算システムにより、本来Tc車が受け持つべき制動力の一部をMc車の電力回生制動力に分担させています。

MGはHG-77463-Oir形(70kVA)がTcに設置されています。CPはTcに当初D-3-F形が設置されていましたが、後にHS-10形に変更されました。車両性能としては、最高速度110km/hを確保しています。

台車は、車体直結式のスタビライドを使用した両抱き踏面制動方式の近畿車輛製KD-88シュリーレン型横剛性空気バネ台車です。Tc車は1400系と同一のKD-88Aですが、Mc車は新開発のKD-88Bを装備しています。製造当初はモニタ装置が搭載されていましたが、現在は撤去されています。

車体デザイン

同時期に落成した界磁チョッパ制御車の1200系1211F・1212Fと同様に、普通鋼製の片側4扉車体を採用しています。6400系以降のGTO-VVVF制御車両とは異なり、裾絞りのない形状が特徴です。側面方向幕は当初から装備されています。空調関係も1200系と同等のものが採用され、運転台は青色に塗装されています。

車内デザインも1200系に準じた暖色系で、側面化粧板と妻面は淡いベージュを基調とした「サンドウェーブ柄」、天井化粧板は白を基調とした「こもれび柄」となっています。登場時はマルーンレッド一色の塗装でしたが、3200系登場後にシルキーホワイトとのツートンカラーに変更されました。5800系を除くGTO-VVVFインバータ制御車には、車体側面にVVVFと三相交流をデザインしたシンボルマークが貼付されていますが、本形式では立体のエンブレム式が乗降扉側に寄せて取り付けられています。

改造

2008年4月には、内装材の交換、各車両への車椅子スペース設置、車体連結部の転落防止幌設置を中心とした車体更新が高安検修センターで行われ、営業運転に復帰しました。

編成・配置と運用線区

2019年4月1日現在、高安検車区に所属しています。

1編成2両のみの試作車であるため、車体更新までは不慮の故障発生を考慮し、青山町駅以西の普通列車で使用されることが多かったですが、運用の都合で山田線、鳥羽線、名古屋線にも入線することがあります。2016年9月3日には、落成32周年を記念して「32th Anniversary VW21ガタンゴトンツアー」が中部学鉄連により実施され、営業運転開始以来初めて湯の山線湯の山温泉駅に入線しました。

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