通貨及証券模造取締法

通貨及証券模造取締法（明治28年法律第28号）は、日本における通貨および国公債証券の模造品に関する規制を定めた法律です。この法律は、刑法に対する特別法として位置づけられ、通貨や国債証券の偽造、模倣品の製造・販売といった行為を取り締まることを目的としています。

制定当初、この法律には「重禁錮」という刑罰が含まれていましたが、刑法施行法（明治41年法律第29号）の改正により、「懲役」に改められました。また、当初は罰金刑も規定されていましたが、これも同法の改正によって廃止されました。

さらに、本法第4条で参照されていた「明治九年布告第五十七号」は、贋造金銀銅貨紙幣等取扱規則を指しますが、この規則自体が既に廃止されています。

国外犯処罰規定

この法律の大きな特徴として、国外で犯された犯罪についても処罰対象としている点が挙げられます。これは、刑法施行法26条4号および刑法2条により規定されており、国際的な通貨偽造犯罪に対しても日本の法律が適用されることを意味します。

準用規定

本法は、単に通貨と国債証券のみならず、他の有価証券にも準用されています。具体的には、以下のものが含まれます。

金融債の債券
日本政策投資銀行債の社債券
貸付信託の受益証券

これらの有価証券についても、本法と同様の規制が適用され、偽造や模倣品の製造・販売は厳しく取り締まられます。これは、長期信用銀行法、株式会社商工組合中央金庫法、信用金庫法、農林中央金庫法、株式会社日本政策投資銀行法、貸付信託法などの関連法規によって定められています。

適用事件と関連事項

この法律が実際に適用された事件としては、千円札裁判が知られています。これは、偽造された千円札が流通した事件で、本法が適用されました。また、関連する法律や用語としては、以下のものがあります。

偽札
通貨偽造罪
外国ニ於テ流通スル貨幣紙幣銀行券証券偽造変造及模造ニ関スル法律
紙幣類似証券取締法
すき入紙製造取締法
子供銀行券

これらの法律や用語は、通貨や証券の偽造、模倣を規制する上で、通貨及証券模造取締法と密接に関連しています。

外部リンク

より詳しい情報や、法律の条文については、以下のe-Gov法令検索のリンクを参照してください。

通貨及証券模造取締法 - e-Gov法令検索

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