遊撃隊 (幕府軍)

遊撃隊

遊撃隊は、江戸幕府が瓦解に向かう激動の時代、14代将軍徳川家茂の死後に結成された幕府軍の部隊です。慶応2年（1866年）10月22日、幕府の軍事訓練機関であった講武所の師範や、将軍に近侍する幕臣たちが中心となり、銃撃隊を再編する形で誕生しました。

結成と初期の動向

遊撃隊は、槍術家の高橋泥舟、剣術家の榊原鍵吉、三橋虎蔵といった武術に秀でた人物たちが頭取を務めました。彼らは隊士たちの指導にあたり、部隊の戦闘能力を高めることに尽力しました。しかし、結成から間もなく、日本は戊辰戦争という内戦に突入します。

戊辰戦争での分裂と転戦

戊辰戦争において、遊撃隊は抗戦派と恭順派に意見が分かれました。さらに、抗戦派の中でも二つのグループに分裂。一隊は村越三郎に率いられ、彰義隊と連携して新政府軍と戦いました。もう一隊は、伊庭八郎、人見勝太郎、岡田斧吉、本山小太郎ら36名で構成され、榎本武揚が率いる艦隊の協力を得て江戸を脱出しました。

脱出した遊撃隊は、閏4月3日に請西藩の藩主・林忠崇と同盟を結び、新政府軍に対する徹底抗戦を表明。その後、各地を転戦する中で、脱走兵などが加わり、隊の規模は300名ほどにまで拡大しました。5月には上野戦争に参戦を試みましたが、新政府軍の圧倒的な戦力の前に敗退を余儀なくされます。

奥羽越列藩同盟への参加と終焉

上野戦争後、遊撃隊は奥羽越列藩同盟に加わり、新政府軍への抵抗を続けました。しかし、同盟に参加していた請西藩が新政府に恭順したことで、同盟は崩壊。遊撃隊は孤立し、戦死者や降伏者が相次ぎました。最終的に、伊庭八郎や人見勝太郎など90名余りの隊士が榎本艦隊に合流し、蝦夷地へ渡り、箱館戦争に身を投じることになります。箱館では主に松前守備を担当し、最後まで戦い抜きました。

遊撃隊の終末

遊撃隊は、戊辰戦争の激動の中で、その運命を大きく左右されました。結成当初は幕府軍の一翼を担う存在でしたが、戦争の経過とともに分裂や転戦を余儀なくされ、最終的には新政府軍に敗北しました。しかし、その勇猛果敢な戦いぶりは、後世に語り継がれることとなりました。

関連項目

* 桃井春蔵（浪花隊）

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