道家正栄

道家正栄

道家正栄（どうけ まさひで、生没年未詳）は、戦国時代の武将であり、滝川一益の甥にあたります。通称は彦八郎。

生涯

道家氏は、元々京都光明峯寺の尾張、美濃、三河の荘官を務めていました。しかし、鎌倉時代から戦国時代にかけて各地の荘園が侵食され、在地勢力の傘下に入っていきました。

道家氏の一人である道家正栄は、叔父である滝川一益に仕えました。天正10年（1582年）3月、滝川一益が東信の佐久郡･小県郡と上野一国を与えられると、正栄もこれに従い、佐久郡の小諸2万石を任され、小諸城の城代となりました。

同年6月2日、本能寺の変で織田信長が亡くなると、その知らせは6日に道家正栄の小諸城に伝わり、7日には厩橋城の滝川一益に伝えられました。旧武田領では武田家旧臣による一揆が頻発し、18日には北信の森長可が海津城を捨てて美濃へ去り、甲斐の河尻秀隆は同日に武田遺臣によって討たれました。

一方、相模の北条氏直は関東の大軍を動かし、6月16日に上州倉賀野に攻め入りました。滝川一益はこれに応戦するも、19日の神流川の戦いで敗北。上野を放棄し、21日に2千余の兵を率いて道家正栄の守る小諸城に入りました。滝川一益は、ここで佐久郡・小県郡の国衆の人質を木曾義昌に引き渡すことで木曽谷の通過を認められ、27日に道家正栄と共に小諸城を去りました。この時、滝川一益は、小諸城を依田信蕃に引き渡すように道家正栄に命じたとされています。

翌28日には下諏訪に到着し、ここで木曾義昌からの通行許可の返書を受け取り、7月1日に伊勢長島に帰還しました。

道家正栄の子息・長左衛門は、親族の中村一忠に出仕しました。

補足

道家正栄は滝川一益の重要な家臣として、小諸城を守備しました。本能寺の変という激動の時代において、小諸城代として周辺の情勢に対応しました。滝川一益の敗北後、小諸城を明け渡す決断は、領民やその後の政治情勢に大きな影響を与えたと考えられます。

参考文献

* （参考文献名はここに記述してください）

もう一度検索