道後山駅

道後山駅（どうごやまえき）

道後山駅は、広島県庄原市西城町高尾に位置する、西日本旅客鉄道（JR西日本）芸備線の駅です。JR西日本の駅の中で、三井野原駅に次いで標高が高い場所にあります(標高611m)。

歴史

当初、小奴可駅と備後落合駅の間に駅を設ける計画はありませんでした。しかし、道後山の観光振興や鉱物資源の運搬を目的として、地元の住民が中心となり駅設置の運動を展開。関係者の尽力により、駅の設置が決定しました。路線の開業には間に合わず、1ヶ月遅れての開業となりました。

1938年（昭和13年）には、道後山の中腹に国鉄山の家が開業し、駅は登山客やスキー客の玄関口として利用されました。道後山までは約10kmの距離があり、バスも運行されていました。

1939年（昭和14年）から太平洋戦争による一時中断を挟み、昭和20年代後半まで、広島駅から早朝に到着する週末スキー列車が運行されていました。昭和30年代には、駅員が道後山で採取したスズランを主要駅に贈るPR活動も行われていました。

1970年代に道路整備が進むと、道後山へのアクセス拠点は備後落合駅へと移り、道後山駅は無人化され、急行列車の停車も無くなりました。

年表

1936年（昭和11年）5月19日：地元住民より駅設置の請願。
8月22日：小奴可 - 備後落合間に道後山駅の設置が決定。
11月21日：三神線（当時）小奴可 - 備後落合間に新設開業。
1937年（昭和12年）7月1日：三神線が芸備線の一部となり、当駅もその所属となる。
1953年（昭和28年）1月18日：駅裏手に高尾原スキー場が開業。
1963年（昭和38年）11月25日：貨物取扱廃止。
1972年（昭和47年）9月1日：荷物扱い廃止。無人駅となる。
1974年（昭和49年）：この年を最後に急行列車の停車がなくなる。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道の駅となる。

駅構造

備後落合駅に向かって右側に単式ホーム1面1線を有する地上駅です。かつては相対式ホーム2面2線の構造でしたが、片側の線路が撤去され、現在は停留所のような構造となっています。秘境駅として知られています。

駅舎はありますが、新見駅が管理する無人駅で、自動券売機などの設備はありません。駅事務室は改修され、消防機庫として使用されています。トイレは駅舎に隣接する公衆便所を利用可能です。

2011年までは駅西側に高尾原スキー場がありましたが、閉鎖・解体されました。かつては冬季のスキーシーズンに臨時列車が停車していました。

利用状況

近年の一日平均乗車人員は減少傾向にあります。

駅周辺

駅の東には高梁川水系と江の川水系の分水嶺があり、旧東城町と旧西城町の境界となっています。また、駅と小奴可駅の間には、芸備線の最高地点(標高620ｍ)があります。

駅の正面にある植木集落は、かつて宿場町として栄えました。駅の南側の上高尾地区では、鉄穴流しによる採鉄やたたら製鉄が行われていましたが、現在は寒冷な気候を生かしたりんご栽培が盛んです。

周辺施設

国道314号
西城交通「植木」バス停
広島県道235号道後山停車場線
広島県道444号油木小奴可線
広島県道446号植木三坂線

その他

道後山駅は、地形的に珍しい「谷中分水」の分水界に位置しています。

隣の駅

西日本旅客鉄道（JR西日本）

芸備線

■快速（下り1本のみ）・■普通

小奴可駅 - 道後山駅 - 備後落合駅

外部リンク

道後山駅｜駅情報：JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道

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