遠藤氏

遠藤氏の歴史

遠藤氏（えんどうし）は、日本の武家および華族の系譜に名を残す氏族である。戦国時代に東氏の家督を相続し、江戸時代には譜代大名の吉見藩主となった。維新後には「東」と改姓し、子爵に列した。

概要

遠藤氏の起源は、千葉氏の庶流である東氏に遡る。彼らは弘安8年（1285年）頃に下総国東荘から美濃国郡上郡に移住した。この移転が遠藤氏の活動の基礎となった。

室町時代には、東常慶という人物が登場する。彼は息子常堯と遠藤胤縁の娘との縁組を試みたが、胤縁は常堯の非道を理由にその提案を拒否し、娘を別の家に嫁がせた。この出来事は、後の悲劇を引き起こすことになる。

常堯は、この恨みを晴らすため、永禄2年（1559年）8月1日に胤縁を東殿山城に招いた後、家臣である長瀬内膳に命じて彼を銃撃させた。これによって常堯は家督を奪い取ることに成功したが、盛数という兄が復讐を果たすことを決意する。盛数は郡内の豪族を味方に引き込んで8月14日に兵を挙げ、攻城戦の末に東殿山城を陥落させ、常慶を滅ぼした。結果、盛数とその子孫は遠藤氏として東氏の家督も継承することとなった。

戦国から江戸時代への歩み

遠藤盛数の子である遠藤慶隆は、戦国時代に織田信長の部将として活躍し、その後も安土桃山時代を経て江戸時代に至った。遠藤氏は美濃八幡（郡上）藩主としての地位を確立し、領地の支配を行った。

寛永18年（1641年）には、将軍徳川家光の世子・竹千代（後の徳川家綱）が誕生。これにより、遠藤氏を含む大名家の次男、三男が御小姓組に加えられることとなった。正保3年（1646年）には第2代藩主の遠藤慶利が亡くなり、その嫡男常友が藩を相続した。

分与された支流の一部は、乙原遠藤氏や和良遠藤氏として旗本として存続した。ちなみに、常久は7歳という若さで死去し、遠藤氏は無嗣断絶の危機に見舞われる。一方で、その後には血縁関係のない第5代将軍徳川綱吉の側室の甥が「遠藤胤親」と名乗り、この名跡を継いで近江三上藩に移封されることとなった。

明治維新以降

最後に残った藩主である遠藤胤城は明治維新後に東姓に改姓し、子爵を授けられた。彼の子である胤禄は陸軍軍人として日露戦争に参加した。昭和前期には神奈川県二宮町に家を構えていた。

一方、引き続き存続していた乙原遠藤氏と和良遠藤氏も、明治2年の版籍奉還によりその歴史を続けた。

知行所の詳細

• - 乙原遠藤氏: 西乙原村、門原村、福手村など関連する知行所が計296石822815。
• - 和良遠藤氏: 和良遠藤氏は法師丸村などで計232石287003などの知行を持っていた。

これらの事実は、遠藤氏がどのようにして歴史の流れに影響を与え、またその中で生き延びてきたかを示している。

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