都賀清司

都賀清司：映画の黎明期を彩った名脇役

都賀清司（つが せいじ、1885年3月25日 - 1946年6月17日）は、日本の映画黎明期に活躍した俳優です。子役時代から舞台に立ち、その演技力で観客を魅了しました。本名は須永淸三郎。

生涯

埼玉県深谷市に生まれた都賀は、幼少の頃から舞台俳優として活動していました。1912年には長女が誕生し、その後長男も生まれています。1923年の関東大震災を機に関西へ移り、東亜キネマ甲陽撮影所に入社。映画俳優としてのキャリアをスタートさせました。

1925年には、マキノ・プロダクションへ移籍。娘の静子も女優として、妻のかつは結髪係として入社し、家族ぐるみで映画界に貢献しました。マキノ・プロダクションでは数多くの作品に出演し、時代劇を中心に様々な役柄を演じました。

しかし、1931年にマキノ・プロダクションが解散。その後は、東活映画社、正映マキノキネマ、宝塚キネマ興行と所属を変えながら、映画出演を続けました。1935年には、溝口健二監督の『お嬢お吉』に出演しましたが、以降の出演記録は不明です。

1946年、満州からの引き揚げの途中に病没。娘の静子と共に生涯を閉じました。

フィルモグラフィー

都賀清司は、数多くの映画に出演しました。以下に主な出演作品を記します。

東亜キネマ甲陽撮影所

『夕日を浴びて』（1923年）
『熱血の洗礼』（1924年）
『森の朝』（1925年）
『罪に立つ女』（1925年）

マキノプロダクション御室撮影所

『白虎隊』（1925年）
『鎌腹』（1925年）
『弁天小僧』（1925年）
『糸の乱れ 後篇』（1925年）
『忠魂義烈 実録忠臣蔵』（1928年）
『浪人街 第一話 美しき獲物』（1928年）
『鬼薊就縛』（1930年）
『信州侠客伝』（1930年）

宝塚キネマ興行

『敵討愛慾行』（1932年）
『辻占売の少女』（1933年）
『孝子五郎』（1933年）
『田宮坊太郎 春風礫の剣法』（1934年）

第一映画社

『お嬢お吉』（1935年）

参考文献

『日本映画俳優名鑑 昭和四年版』、映画世界社、1928年
『日本映画俳優名鑑 昭和五年版』、映画世界社、1929年
『日本映画俳優名鑑 昭和九年版』、映画世界社、1934年
『日本映画人名事典 男優編』、キネマ旬報社、1996年
『芸能人物事典 明治大正昭和』、日外アソシエーツ、1998年
『日本映画興亡史 マキノ一家』、石割平、ワイズ出版、2000年

外部リンク

都賀清司 - 日本映画情報システム
* 都賀清司 - KINENOTE

都賀清司は、映画史の表舞台に立つことはなくとも、多くの作品を支えた名脇役として、その名は記憶されるべきでしょう。彼の出演作品を通して、日本映画の黎明期の息吹を感じてみてください。

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