里見村 (千葉県)

里見村(さとみむら)



里見村は、かつて千葉県市原郡に存在した村で、1954年の昭和の大合併により、高滝村、富山村、白鳥村と合併し加茂村となり、その歴史を閉じました。現在の市原市南部の加茂地区に位置しています。

地理



村域は、市原郡の南部に位置し、養老川沿いの細長い平地を中心に広がっていました。東西に長く、東西は約12km、南北は約8km、面積は約46平方キロメートルでした。1916年時点では、北に高滝村、富山村、平三村、東に夷隅郡大多喜町、南に白鳥村、西に君津郡久留里町馬来田村と隣接していました。

村は、飯給徳氏、平野、大戸、月出、万田野柿木台、田淵の8つの地区(旧村)から構成されていました。これらの地区は現在、市原市の大字としてその名を残しています。

歴史



前史



飯給地区には弘文天皇ゆかりの伝承があり、月出地区の東漸寺は天平年間に僧侶の行基によって開かれたと伝えられています。田淵地区には戦国時代の里見氏の城跡があり、万田野地区には上総武田氏(真里谷氏)に関する伝承が残っています。この地域はかつて「高滝郷」と呼ばれていました。

明治初期の地方制度



明治初期、この地域はいくつかの連合戸長役場に分かれていました。しかし、『千葉県市原郡誌』と『明治22年千葉県町村分合資料』の間には記述の齟齬が見られます。


村史



1889年町村制の施行により、飯給徳氏、平野、大戸、万田野、月出、柿木台、田淵の8つの村が合併し、里見村が発足しました。村名は、当地を治めていた里見氏に由来します。村役場は当初飯給に置かれましたが、後に徳氏に移転しました。

1925年小湊鉄道線が開通し、里見駅が開業しました。翌年には、[[飯給駅]]も開業しました。1954年、里見村は高滝村、富山村、白鳥村と合併し、加茂村となり、里見村としての歴史を終えました。加茂村はその後、市原市に編入されています。

行政区画変遷年表



1889年4月1日町村制施行により、里見村が発足。
1954年1月15日:里見村、高滝村、富山村、白鳥村が合併し、加茂村が発足、里見村が消滅。
1967年10月1日:加茂村と南総町が市原市に編入され、加茂村が消滅。

経済・産業



1916年の『千葉県市原郡誌』によると、村の主要産業は農業であり、林業も重要とされていましたが、当時は未発展の状態でした。

交通



道路



かつて交通が不便だったこの地域では、1895年以降、道路整備が進められました。1916年の時点で、いくつかの道路が開通しており、その他にも建設中の道路がありました。

現在、里見村の旧村域内を通過する主な県道は以下の通りです。

千葉県道81号市原天津小湊線
千葉県道160号加茂木更津線
千葉県道171号加茂長南線
千葉県道172号大多喜里見線
千葉県道173号南総月出線

鉄道



1925年小湊鉄道線が開通し、里見駅が開業しました。その後、月崎駅まで延伸し、[[飯給駅]]も開業しました。

小湊鉄道線:里見駅 - [[飯給駅]]

教育



里見小学校・中学校



徳氏地区には里見小学校がありました。この小学校は、田淵尋常小学校飯給尋常高等小学校が合併してできたもので、後に加茂町立、市原市立と変遷しました。2013年には、加茂地区の小学校とともに加茂小学校に統合され、小中一貫教育校の加茂学園の一部となりました。加茂学園は旧里見村域の平野に位置しており、開校に合わせて里見駅の整備が行われました。

第二次世界大戦後には、里見中学校も設立されましたが、1965年には加茂村内の4中学校と統合され、加茂中学校となりました。

月出小学校・中学校



月出地区には月出小学校がありました。この小学校は1873年に創立され、里見村立、加茂町立、市原市立と変遷しましたが、2007年に里見小学校に統合されました。現在は、芸術拠点「月出工舎」として利用されています。

月出中学校も第二次世界大戦後に設立されましたが、1967年に加茂中学校に統合されました。

その他の学校



1901年には、月出尋常小学校に月出農業補習学校が設置されましたが、1908年に廃止されました。

寺社



真高寺(飯給):曹洞宗の寺院
東漸寺(月出):天台宗の寺院

脚注



注釈



出典



参考文献



小沢治郎左衛門『上総国町村誌 第一編』1889年
千葉県市原郡教育会『千葉県市原郡誌』千葉県市原郡、1916年。
『明治22年千葉県町村分合資料 七 市原郡町村分合取調』1889年

関連項目



千葉県の廃止市町村一覧

外部リンク



千葉県市原郡誌』第二部 町村誌「里見村」
* 千葉県市原郡里見村 (12B0090027) - 歴史的行政区域データセットβ版

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