野戦重砲兵第1連隊

野戦重砲兵第1連隊

野戦重砲兵第1連隊は、大日本帝国陸軍に所属した野戦重砲兵連隊の一つです。軍隊符号は「1SA」で、その歴史は1918年（大正7年）5月に東京湾要塞の要塞砲兵連隊の2個大隊を基盤として、神奈川県横須賀で発足したことに始まります。

編成と装備

発足当初、連隊は三八式十二糎[[榴弾砲]]を装備していましたが、後に四年式十五糎[[榴弾砲]]に更新されました。1938年（昭和13年）には、帝国陸軍の最新鋭重榴弾砲である九六式十五糎[[榴弾砲]]への改編が行われ、戦力の近代化が図られました。連隊は1921年（大正10年）に編成を完結させ、翌1922年（大正11年）8月には千葉県国府台へ移転しました。

ノモンハン事件

1939年（昭和14年）のノモンハン事件では、連隊は2個大隊6個中隊の応急編成で動員されました。しかし、新装備の九六式十五糎[[榴弾砲]]の練度が十分でなかったことに加え、広大な戦場でのソ連赤軍の機械化部隊の攻勢に苦戦を強いられました。連隊は全弾を撃ち尽くし、榴弾砲を自爆処分した上で、決死の肉薄攻撃を敢行し、火砲と運命を共にしました。この戦いでは、山崎昌来陸軍砲兵中尉（戦死後、陸軍砲兵少佐）の壮絶な戦死が語り継がれています。

再建と太平洋戦争

ノモンハン事件後、連隊は北満黒河省神武屯に駐屯し、部隊の再建を行いました。1941年（昭和16年）11月6日には第14軍に編入され、太平洋戦争（大東亜戦争）開戦後はフィリピンのリンガエン湾に上陸。バターン半島砲撃戦やコレヒドール島砲撃戦に参加し、機械化重砲兵としての威力を発揮しました。

沖縄戦

1944年（昭和19年）、連隊は第32軍第5砲兵司令部隷下となり、連隊本部と第2大隊は沖縄本島へ、第1大隊は宮古島へと配備されました。沖縄戦では、野戦重砲第23連隊、独立重砲兵第100大隊、独立臼砲第1連隊などとともに沖縄防衛戦に参加。1945年（昭和20年）4月1日、アメリカ軍が沖縄本島に上陸すると、連隊は5月4日からの総攻撃に参加しますが、戦況は好転せず、持久戦へと移行します。

バックナー中将の戦死

6月18日、喜屋武半島真栄里の高台において、第8海兵連隊を視察中の第10軍司令官サイモン・B・バックナー・ジュニア陸軍中将が、野戦重砲兵第1連隊第2大隊の砲撃により戦死しました。バックナー中将は、アメリカ軍史上最高位の階級で戦死した軍人として記録されています。

ただし、アメリカ軍の公式戦史では、バックナー中将は一式機動四十七粍速射砲の砲撃によって戦死したと記述されています。

連隊の玉砕とその後

1945年（昭和20年）6月22日、野戦重砲兵第1連隊は連隊長の山根忠陸軍大佐以下、火砲と運命を共にし、玉砕しました。戦後、沖縄駐留アメリカ軍によって発見された野戦重砲兵第1連隊第2大隊第4中隊の1門は、独立重砲兵第100大隊の八九式十五糎加農とともに、靖国神社遊就館に奉納・展示されています。

歴代連隊長

（省略）

脚注・出典

（省略）

関連項目

東久邇盛厚
大日本帝国陸軍連隊一覧

外部リンク

* ぶらり重兵衛の歴史探訪 兵器 九六式十五糎[[榴弾砲]] - ウェイバックマシン（2019年1月1日アーカイブ分）

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