野津鎮雄

野津鎮雄の生涯

野津鎮雄（のづ しずお）は、天保6年（1835年）9月5日に薩摩藩の下級藩士の家に生まれました。彼は幼少の頃に両親を失い、叔父に育てられるという厳しい環境で成長しました。幼名は七左衛門で、後に鎮雄と名乗りました。彼は郷土の兵法や砲術に関して優れた師から学び、特に天山流砲術や薬丸自顕流を修めるなど、早くから軍事に関する素養を身につけていました。

軍人としての足跡

鎮雄は、文久3年（1863年）には薩英戦争に参加し、青山愚痴の配下として沖小島を守備しました。この戦において彼の軍事的な才能が開花し、その後、慶応3年（1867年）には小隊監軍として京都御所の守護に従事しました。さらに、慶応4年（1868年）の戊辰戦争では五番隊長として重要な役割を果たし、全国各地への転戦を経験しました。

維新後の明治時代に入ると、鎮雄は軍の重要なポジションを次々と歴任しました。明治2年（1869年）には藩兵4番大隊長に任命され、その後、御親兵大隊長として東京へ上京しました。明治4年（1871年）には陸軍に奉職し、大久保利通の指揮下で佐賀の乱の際には大阪鎮台を率いて佐賀城を奪回する戦功を上げました。さらに、西南戦争においては第一旅団の司令長官として戦った結果、彼は中将に昇進しました。

最後の日々と功績

明治13年（1880年）、鎮雄は明治天皇の随行命令を受けましたが、出発前に病を患い、若干44歳という若さでこの世を去りました。彼の死後、正三位に叙せられる栄誉を受けました。また、彼は大山巌から相談を受け、「君が代」の選定に深く関与したと伝えられています。

彼の家族についても言及すべき点があり、父は野津鎮圭、母は柏木美世であり、彼には実弟にあたる野津道貫がいます。さらに、彼の妻は野津国子であり、長女の野津志和は幼少期に夭折しました。このように、彼の血筋や家族構成は、彼の人生と密接に関わっていたことが窺えます。

年譜の概略

野津鎮雄の主な業績を年譜で見てみましょう。

• - 明治2年（1869年）

- 1月：藩兵4番大隊長
- 6月：賞典禄8石

• - 明治4年（1871年）

- 3月：御親兵大隊長
- 7月：陸軍大佐兼兵部少丞、その後兵部大丞

• - 明治5年（1872年）

- 9月：少将に進む

• - 明治7年（1874年）

- 4月：熊本鎮台司令長官代理

• - 明治8年（1875年）

- 6月：陸軍築造局局長

• - 明治9年（1876年）

- 6月：東京鎮台司令長官

• - 明治10年（1877年）

- 2月：西南戦争出征
- 11月：叙勲二等

• - 明治11年（1878年）

- 11月：陸軍中将昇進
- 12月：中部監軍部長

• - 明治13年（1880年）

- 7月：死去（享年44）
- 7月：正三位追贈

まとめ

野津鎮雄はその生涯を通じて日本陸軍の発展に寄与し、数々の重要な戦歴を持つことで知られています。彼の功績は現在の自衛隊にも影響を与えており、日本の軍事史に名を刻んでいます。その生涯を知ることは、歴史を知る上で非常に重要な意義を持っています。

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