金森頼錦

金森頼錦の生涯

金森頼錦（かなもり よりかね）は、江戸時代に美濃郡上藩の第2代藩主を務めた人物で、父は初代藩主金森可寛です。りんは1728年に父可寛が37歳という若さで亡くなったため、約1年後の1729年に藩の跡を継ぐこととなりました。その際、将軍徳川吉宗に対面し、従五位下若狭守に叙任され、さらなる出世の道が開かれました。

藩主としての頼錦は、享保21年（1736年）、祖父の死去を受けて家督を継ぎ、兵部少輔に任命されました。延享4年（1747年）には、幕府の奏者番に就任しました。この職は、幕府の中で昇進するための重要なステップであり、多くの出費が伴うものでした。頼錦は藩の財政を強化するために、宝暦4年（1754年）には年貢の税法を検見法に改めることを試みましたが、それに反発する百姓たちによる一揆が発生しました。この郡上一揆は大きな問題となり、頼錦は厳しい措置でこれに対処しましたが、藩内はいくつかの事件によって混亂の状態に陥ります。

頼錦は文才にも恵まれ、文化人としても卓越した存在でした。先祖の業績をまとめた『白雲集』を編纂し、また藩内に目安箱を設置するなど、藩政の改善に努めました。天文台を天守に建設し、天文学にも興味を示しました。

しかし、彼の努力も空しく、宝暦8年（1758年）には幕府の命令により改易され、藩主の地位を追われました。その後、陸奥の盛岡藩の南部利雄に預けられましたが、最後には1763年6月6日に逝去し、享年は51歳でした。

家族及び子女の状況

頼錦には、嫡男出雲守頼元や他の男子5人がいましたが、彼らは士籍を失いました。嫡男の頼元と三男の伊織頼方は改易され、五男・熊蔵（錦豊）や六男・武九郎（頼興）、七男・満吉は15歳まで縁者に預けられることとなりました。次男の正辰は常陸下妻藩井上家に養子に入り、四男・可端は金森可郷の養子となったため、それぞれ特に処罰は受けませんでした。頼方は後に罷免され、頼豊は既に罷免されていましたが、頼興は明和3年（1766年）に復職し、後に金森家の名跡を継ぎました。

頼錦の娘については、長女は間部詮央との婚約が破談になり、さらには金森左京家の金森可英の養女となって井上正相の妻となりました。次女も婚約が破談になり、小出有相の養女となります。頼錦の死後、その遺体は最初は盛岡の法泉寺に葬られましたが、頼興による金森家の再興後に改葬され、京の大徳寺に埋葬されました。

頼錦の家系は、彼の死後も続き、その子孫の中には旗本として存在する者もいて、金森家は歴史の中でその名を残し続けました。特に、金森可重の五男である重勝を祖とする金森左京家は、改易後も3,000石の石高を維持し、旗本として存続していきました。これにより金森家は、時代を経て別の形でその影響力を引き継ぎ続けることになります。

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