鈴木梅四郎

鈴木梅四郎

鈴木梅四郎（1862年5月24日 - 1940年4月15日）は、明治時代から昭和時代にかけて活躍した実業家、政治家、そして社会運動家です。彼は、財団法人実費診療所の創立者としても知られています。

生い立ちと初期の活動

鈴木梅四郎は、文久2年4月26日に信濃国水内郡安茂里村（現在の長野県長野市安茂里地区）で、農業を営む鈴木龍蔵の次男として生まれました。1881年（明治14年）に慶應義塾に入学し、1887年に卒業しました。

実業家としての活躍

慶應義塾卒業後、鈴木は時事新報を経て、横浜貿易商組合の顧問となり、機関紙「横浜貿易新聞」の主筆に就任しました。その後、中上川彦次郎の推薦で三井銀行に転職し、各地の支店長を歴任しました。後に王子製紙に移り、専務に就任し、実業家としての才能を開花させます。

王子製紙時代には、1902年（明治35年）に現在の北海道苫小牧市に苫小牧工場を建設し、その手腕を発揮しました。さらに1919年（大正8年）には、台湾の宜蘭市にバガスを原材料とする製紙工場を建設するなど、国内外で事業を拡大しました。

社会運動家としての側面

王子製紙に在籍していた際、鈴木は日本の医療制度の遅れを痛感し、社会福祉の充実を強く主張しました。その一環として、医療施設の不足を解消するため、1911年に東京府京橋区に実費診療所を設置しました。その後、横浜や大阪など各地に実費診療所を設立しましたが、各地の医師会からの反発に直面し、対立を招きました。

政治家としての活動

1912年（明治45年）には、立憲政友会の衆議院議員に選出され、政治家としても活動しました。彼は通算で5回当選し、国政に貢献しました。

死後

1940年（昭和15年）4月15日、鈴木梅四郎は生涯を閉じました。彼の社会福祉への貢献は、今日においても高く評価されています。

参考文献

田中省三『医療の社会化を実践した人物・鈴木梅四郎』医史研究会、1995年12月。ISBN 4-9900443-1-2。
三田商業研究会編 編『[慶應義塾]]出身名流列伝』実業之世界社、1909年（明治42年）6月、937-938頁。[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/777715。 （近代デジタルライブラリー）

関連項目

小栗貞雄

外部リンク

『鈴木梅四郎』 - コトバンク

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