鉞り鉄五郎

鉞り鉄五郎の生涯

鉞り 鉄五郎（まさかり てつごろう、生年1867年）は、千葉県山武市で生まれ、大相撲の世界で特異な存在となりました。本名は今関 鉄五郎です。彼の大きな特徴は、色黒で無愛想な顔立ちから「鬼」とあだ名されていた点にあります。最高位は東前頭13枚目で、身長や体重の詳細は定かではありませんが、彼の存在感は人々を惹きつけました。

力士としてのキャリア

1886年1月に初めて土俵に上がり、序ノ口からスタートを切りました。「鉞り」の名で知られる彼は、1893年5月に十両に昇進しました。その翌年の1894年6月には新入幕を果たしますが、1895年1月には大日本帝国陸軍に入隊し、近衛師団での軍務を遂行しました。彼の軍歴は波乱に満ちており、台湾への出征後にマラリアに感染し、帰国を余儀なくされました。

その後、1895年5月の場所で東十両の張出筆頭として復帰しましたが、結果は2勝8敗と振るいませんでした。この後も十両での勝ち越しは叶わず、特に1900年5月場所以降は幕下に甘んじることが多くなりました。彼の本場所での成績は不振ではありましたが、稽古場ではその怪力で知られ、初代高砂に「鉞りに勝てばすぐに十枚目に昇進させる」と言わしめるほどの力士でした。

相撲界からの引退

1904年、鉞りは源氏山頼五郎の渡米計画に参加し、脱走する形で江戸相撲から引退し、京都相撲に加入しました。その後、大阪では株の仲買人として活動していたとされています。相撲界での様々な人間関係や争いを経て、彼は12代入間川の誘いを受けて東京に戻り、世話人としての新たな道を歩み始めました。

最晩年

彼の人生は相撲だけに留まらず、多彩な側面を持っていましたが、1925年12月8日に58歳でこの世を去りました。彼の人生には多くの変化と苦難が伴い、その中でも彼の印象的な顔立ちや取り組み姿勢は、後の力士たちに影響を与え続けました。

成績

鉞り鉄五郎の相撲成績は以下の通りです。

• - 番付在位場所数：38場所
• - 十両在位：10場所
• - 十両成績：27勝37敗8分2預
• - 幕内在位：2場所（そのうち1場所は入営のため番付記載のみ）
• - 幕内成績：2勝5敗2分11休
• - 通算成績：29勝42敗11休10分2預

彼の成績は、全体的には厳しいものでしたが、その強さを示すものでもありました。特に稽古場ではその異常なまでの強さで知られ、彼の伝説は相撲ファンの間で語り継がれています。

改名歴

彼は数度の改名を行い、使用していた名前に含まれる「鉞り」や「盤石」は、その相撲人生の一部として記憶されています。具体的には、1886年から1890年、1891年から1904年の間に「鉞り」や「盤石」という名前での相撲を行っていました。相撲レファレンスによると、彼の名前は時にカタカナとひらがなで記載されることがありましたが、特にひらがなで表記されたのは一時のみであると考えられています。彼の人生やキャリアにはさまざまな側面があり、その全貌は相撲ファンならずとも興味深いでしょう。

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