錦洋与三郎

錦洋与三郎の生涯と相撲キャリア

錦洋与三郎（にしきなだ よさぶろう）は、1900年7月5日に鹿児島県姶良郡福山町（現在の霧島市）で生まれました。本名は豊平才蔵で、相撲界に名を刻んだ力士として、特に井筒部屋に所属していました。彼の力士としての最高位は、関脇であり、また関西角力協会では大関を務めたこともあります。現役時代の体格は、身長176cm、体重111kgで、押しや寄り、掬い投げといった技に特化していました。

相撲との出会いと初土俵

与三郎は1917年5月の場所で初めて土俵に上がり、これが彼の相撲人生の幕開けでした。彼は素早く初土俵を果たし、1923年5月には新十両、続いて1925年1月には新入幕を達成します。攻撃的な相撲で名を馳せることとなり、1925年5月場所では前頭12枚目に位置し、10勝1敗という素晴らしい成績を収めるも、優勝は上位にいた大蛇山酉之助に譲る結果となりました。

軌道に乗る成績と三役昇進

彼はその後も順調に成績を上げ、1927年10月には新小結、1928年には関脇に昇進します。この間、長いこと三役として活躍しており、金星は常ノ花寛市からの1個だけでしたが、大関の大ノ里萬助に対しては勝ち越しを果たすなど、出羽海一門相手に良い戦績を収めました。特に彼の戦いは常に観客を魅了し、彼が土俵に上がるたびに期待が高まりました。

春秋園事件と関西角力協会

1932年、春秋園事件が勃発します。この事件に対して与三郎は天竜三郎らと共に脱退し、新たに設立された関西角力協会の中心人物として活動する道を選びます。この協会で彼は相撲界で重要な役割を果たし、1934年の1月場所ではトーナメントで優勝を果たします。彼の相撲に対する情熱は尽きることなく、1937年の解散まで土俵に立ち続けました。

主な成績と記録

与三郎の相撲キャリアを振り返ると、彼は日本大相撲協会で25場所の幕内在位を持ち（うち関脇は7場所、小結は1場所）、幕内成績は137勝101敗3分預23休という立派なものです。また、金星は1個である常ノ花からのものでした。相撲界での彼の存在感は、他の力士たちにも強烈な印象を与えました。

後世への影響

与三郎の弟もまた早稲田大学相撲部で活躍し、彼の血筋は相撲界で受け継がれました。錦洋与三郎は1960年3月1日にこの世を去りますが、彼の運命に刻まれた相撲人としての業績は、今なお多くのファンに語り継がれています。彼が残した数々の記録と思い出は、相撲界の歴史の一部として永遠に残ることでしょう。

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