録音再生機器

録音再生機器とは、音声情報を記録媒体（メディア）に録音し、その記録された音声を再生するための音響機器の総称です。録音機能のみを備えた機器は「レコーダー」、再生機能のみを備えた機器は「プレーヤー」と呼ばれることが多いですが、一般的に民生用機器においては、録音機能と再生機能の両方を備え、まとめて「レコーダー」として販売されることが一般的です。

録音再生機器には大きく分けて2つの種類が存在します。1つは、音の波形をアナログ信号としてそのまま記録・再生するアナログ録音再生機器です。もう1つは、音の波形をデジタル信号に変換（AD変換）して記録し、再生時にはデジタル信号を再びアナログ信号に変換（DA変換）して再生するデジタル録音再生機器です。

録音再生機器の種類

録音再生機器は、使用する記録メディアの種類によって多岐にわたります。以下に主なものを挙げます。

初期の録音再生機器
蓄音機: 音の振動を直接記録する方式で、蝋管やレコードを使用していました。
蝋管式蓄音機：蝋管に音を記録する初期の蓄音機
レコード録音再生機: レコード盤に音溝を刻み、それを再生する方式の機器
アセテート盤レコーダー: アセテート盤に直接音を記録するプロ用途の機器
バイナルレコーダー: レコード盤に直接音を記録する機器
光学録音: フィルムに光の変化として音を記録する方式
鋼線式磁気録音機（ワイヤーレコーダー）: 鋼線に磁気的に音声を記録する初期の磁気録音機器

磁気テープを利用した録音再生機器
テープレコーダー: 磁気テープに音声を記録・再生する機器の総称。
オープンリール・テープレコーダー: リール状の磁気テープを使用する、主にプロ向けのテープレコーダー
オープンリールMTR: オープンリール式のマルチトラックレコーダー
8トラック・テープレコーダー: 8トラックのカートリッジ式磁気テープを利用したテープレコーダー
コンパクトカセット・テープレコーダー（カセットテープレコーダー）: カセットテープを使用する携帯性に優れたテープレコーダー
カセット式MTR: カセットテープを使用したマルチトラックレコーダー
エルカセット・テープレコーダー: 高音質を追求したカセットテープシステム
マイクロカセット・テープレコーダー: 小型化されたカセットテープを使用するテープレコーダー

デジタル録音再生機器
デジタルオーディオテープ (DAT) レコーダー: デジタル信号を磁気テープに記録する方式
デジタルコンパクトカセット (DCC) レコーダー: デジタル信号をカセットテープに記録する方式
デジタルマイクロカセット (NT) レコーダー: 小型デジタルカセットテープを使用する方式
ミニディスク (MD) レコーダー: 光磁気ディスクにデジタル信号を記録する方式
MDLP: ミニディスクの長時間録音モード
Hi-MD: 高音質・大容量のミニディスク規格
コンパクトディスク (CD) レコーダー: CD-RやCD-RWにデジタル信号を記録する方式
CD-R: 一度だけ記録可能なCD
CD-RW: 繰り返し記録可能なCD

その他の録音再生機器
ハードディスクドライブ（HDD）: ハードディスクにデジタル信号を記録する方式
フラッシュメモリ: フラッシュメモリにデジタル信号を記録する方式
ICレコーダー: フラッシュメモリを使用した小型軽量の録音機器
リニアPCMレコーダー: 非圧縮のデジタル音声（リニアPCM）を録音できる高音質レコーダー
デジタルオーディオプレーヤーの録音機能: 音楽プレーヤーに録音機能が搭載されたもの
デジタルオーディオワークステーション (DAW): コンピューターベースの録音・編集・制作システム

関連事項

録音スタジオ: プロフェッショナルな録音を行うための施設
デジタルオーディオ: デジタル技術を用いた音声処理全般
* 映像機器: 映像の録画・再生を行う機器も、「レコーダー」や「プレイヤー」と呼ばれる場合があります。

以上のように、録音再生機器は、その歴史と共に様々な記録メディアに対応し、多様な進化を遂げてきました。

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