長脇差忠臣蔵

映画『長脇差忠臣蔵』の概要

『長脇差忠臣蔵』は、1962年8月12日に大映が配給した時代劇映画で、監督は渡辺邦男、主演は市川雷蔵です。この作品は、タイトルに「忠臣蔵」の名を冠していますが、実際には幕末の渡世人の物語を扱っています。忠臣蔵に登場する人物や出来事とは直接的な関係がなく、幕末の政局や任侠の世界を背景にしたストーリーが展開されます。

あらすじ

物語の舞台は掛川で、主人公の次郎吉は中村半次郎や桂小五郎とつながりを持っていました。しかし、次郎吉の縄張りを争う藤兵衛が老中の本多備前守にその情報を伝えたことで、次郎吉は命を狙われることになります。幕府が将軍の上洛を決定し、その道中にある障害物を取り除くよう命令したことで、次郎吉は命を落とし、彼の組は解散を余儀なくされます。

そんな中、掛川一家の大黒柱である堀ノ内喜三郎が帰還し、事の重大さを実感します。次郎吉の妻・おせきは、時を待つように指示を出しました。喜三郎は、桂小五郎を伴って清水の次郎長親分を訪れ、情勢を確認します。喜三郎はまた、仲間である半二と佐吉と共に、恋人おみねの父親である袋井の太十を訪れる場面も描かれます。

一方、浜松藩の城代家老である小松平左衛門は、息子の伊織に喜三郎の動向を探らせ、女刺客のおのぶを通じて彼の動きを監視させます。また、喜三郎は、倒幕軍が動き出した際に老中を討つ機会を狙っていました。倒幕軍が有栖川宮を中心に征東を開始し、浜松藩の主力が出撃する中、喜三郎は親分の仏前で仲間の戒名を供え、浜松に殴り込む決意を固めます。

主なキャスト

この映画には、多くの有名な俳優が出演しています。

• - 市川雷蔵：堀ノ内喜三郎
• - 本郷功次郎：有栖川宮
• - 勝新太郎：前田山英五郎
• - 宇津井健：掛川の次郎吉
• - 小林勝彦：若駒の半次
• - 大瀬康一：桂小五郎
• - 丹羽又三郎：玉稲荷の佐吉
• - 林成年：六郷の新三
• - 友田輝：中村半次郎
• - 島田正吾：清水次郎長
• - 藤村志保：太十の娘おみね
• - 浦路洋子：おしの
• - 阿井美千子：おしま
• - 近藤美恵子：おのぶ
• - 月丘夢路：おせき

制作スタッフ

この作品は、次のようなスタッフが携わっています。

• - 監督：渡辺邦男
• - 企画：浅井昭三郎
• - 撮影：渡辺孝
• - 美術：太田誠一
• - 音楽：福永久広
• - 編集：宮田味津三
• - 脚本：八尋不二、渡辺邦男

併映作品

この映画は、弓削太郎監督の『かっこいい若者たち』との併映作品として公開されました。

まとめ

『長脇差忠臣蔵』は、幕末の動乱と任侠の世界を絡めたドラマで、スリリングな展開と人間ドラマが魅力の映画です。市川雷蔵の演技をはじめとするキャストの演出が際立ち、時代劇ファンにとっては見逃せない一作となっています。

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