閃緑岩

閃緑岩について

閃緑岩（せんりょくがん、英語: diorite）は、深成岩のカテゴリーに属する岩石で、主要成分は無色鉱物である斜長石です。この岩石には、輝石や角閃石といった有色鉱物が約30%含まれており、火山岩にあたる安山岩に対応しています。閃緑岩は一般的に暗い色合いを訴えますが、花崗岩よりは黒いものの、バンド状の斑れい岩ほどは黒くありません。

石英閃緑岩

さらに、石英を含む閃緑岩は「石英閃緑岩」（せきえいせんりょくがん、quartz diorite）と呼ばれています。厳密には、石英の有無で分類されるため、ほとんどの閃緑岩が石英を含むとされています。純粋な閃緑岩はほとんど産出されないため、石英閃緑岩が一般的に観察されることが多いです。

球状閃緑岩

閃緑岩には、特異な構造を持つ「球状閃緑岩」（きゅうじょうせんりょくがん、ball diorite）があり、これは無色鉱物である斜長石と、有色鉱物である角閃石や黒雲母が交互に結晶化して、同心円状または放射状の構造を形成します。球状閃緑岩は日本では非常に稀であり、特に宮城県白石市で産出されるものが有名です。この産出物は「菊面石」とも呼ばれ、1923年に国の天然記念物に指定されました。球状閃緑岩は、江戸時代に活躍した奇石収集家・本草学者の木内石亭によって「雲根志」という文献に「ナンダモンダ」という名前で記載されています。

参考文献

閃緑岩に関する詳細な情報は、以下の参考文献から得ることができます。これらの書籍は、火成岩や岩石学において基本的な知識を提供しており、また岩石の性質や発生過程についての洞察を得る上でも非常に役立ちます。

• - 山崎貞治著『はじめて出会う岩石学 - 火成岩岩石学への招待』共立出版、1990年
• - 豊遙秋・青木正博著『検索入門 鉱物・岩石』保育社、1996年
• - 益富寿之助著『原色岩石図鑑 全改訂新版』保育社、1987年

閃緑岩及びそのバリエーションは、地質学や鉱物学を学ぶ上で重要な知識です。これらの岩石を観察し理解することによって、地球の成り立ちや地質のダイナミクスについての深い理解を得ることができます。

もう一度検索