開月勘太郎

開月勘太郎（かいげつ かんたろう）は、1899年2月2日に福岡県鞍手郡若宮町（現在の宮若市）で生まれ、1966年7月16日に生涯を終えた大相撲力士です。本名を花田勘太郎といい、花籠部屋に所属していました。

身長169cm、体重90kgと小柄な体格ながら、右四つからの粘り強い相撲を得意とし、観客を魅了しました。1916年に尾車部屋に入門後、兄弟子である三杦磯善七に従い、所属部屋を転々としました。尾車部屋、峰崎部屋、片男浪部屋、伊勢ノ海部屋を経て、最終的には花籠部屋で現役を終えることになります。

1921年5月に十両へ昇進しましたが、体格的なハンデもあり、幕内昇進は7年後の1928年3月となりました。しかし、幕内での活躍は長く続かず、わずか3場所で十両へ陥落。その後、幕下まで番付を下げてしまいます。1932年、春秋園事件による脱退力士の穴埋めとして、同年2月の番付で十両に返り咲きましたが、幕内復帰は果たせず、1933年5月場所を最後に現役を引退しました。

四股名は当初「海月」と書いて「かいげつ」と読ませていましたが、「くらげ」とも読めることから、周囲に「くらげ」と呼ばれることを嫌い、読みは同じで字面を改めた「開月」に変更しました。

引退後は年寄片男波を襲名し、1939年から1942年まで部屋を経営しましたが、閉鎖。弟子は三杦磯の花籠部屋に譲りました。その中には、後に幕内力士となる藤田山忠義がいました。その後、年寄株を神風正一に譲り、相撲界を去りました。花田姓で花籠部屋所属でしたが、初代若乃花との血縁関係はありません。

主な成績は、幕内在位3場所、幕内成績は11勝21敗1分です。最高位は、新入幕の場所の西前頭13枚目でした。1932年1月場所の番付では、東幕下6枚目に位置していました。

小柄ながらも、持ち前の粘り強さで土俵を沸かせた開月勘太郎。その相撲人生は、決して平坦なものではありませんでしたが、多くの人々の記憶に残る力士でした。

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