三杦磯善七

三杦磯善七について

三杦磯善七（みすぎいそ ぜんしち、1892年11月26日 - 1951年4月22日）は、北海道爾志郡熊石村（現在の北海道二海郡八雲町）出身の大相撲力士です。彼の本名は小西善七（こにし ぜんしち）で、伊勢ノ海部屋に属していましたが、入門当初は尾車部屋に在籍していました。彼は明治時代以降初の北海道出身の関取としても知られています。

生い立ちと力士になるまで

1892年に七人兄弟の中で生まれた三杉磯は、豆腐店を営む家庭に育ちました。兄に引き取られ運搬業を手伝ったことがきっかけで力が付き、地元の小料理屋の主人からスカウトされ、相撲の道を志すことになります。彼は1911年に尾車部屋に入門し、同年6月場所で初土俵を踏みました。

最初は神威山の名を名乗りたかったものの、師匠からのアドバイスを受けて、「三本杉岩」にちなんだ三杉磯という名になりました。彼の取り口は右四つの寄りや掬い投げを駆使したもので、特に怪力を生かした豪快な技が魅力でした。

主な成績と昇進

1917年には新十両に昇進し、翌1918年には瞬く間に新入幕を達成。この年には、強敵の大錦卯一郎から金星を獲得するなど、着実に地位を高めていきました。しかし、彼は番付上位からの取りこぼしが続き、大関昇進には至りませんでした。それにもかかわらず、実力を評価され、多くの試合で観客を魅了しました。

1928年1月場所においては、前頭13枚目で全勝を記録し初優勝を目指すに至りますが、千秋楽の対戦において小結の玉錦に敗れ、常陸岩が優勝を果たしました。この時、常陸岩には不戦勝の記録が含まれており、優勝問題が後に協会を巻き込む議論へと繋がります。

引退後と晩年

1930年代初めには引退し、年寄・花籠を襲名。その後独立して花籠部屋を設立するも、弟子の素行不良にも悩まされる時期が続きます。1947年には部屋を閉鎖した後、弟子の一部を高砂部屋に譲渡し、晩年を迎えました。1951年4月22日、58歳でこの世を去ります。

まとめ

三杉磯善七は、その力士人生において数々の記録を残しながらも、波乱に満ちた経歴を歩みました。関取としての立ち位置を確立しただけでなく、北海道出身の力士としての道を切り開いた彼の存在は、大相撲の歴史において重要な位置を占めています。

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