間部詮綽

間部 詮綽（まなべ あきひろ）

間部詮綽は、江戸時代中期に活躍した旗本です。享保元年（1716年）、彼は間部詮衡の二男としてこの世に生を受けました。家族背景としては、伯父である本所間部家の当主・間部詮之の養嗣子となり、次第に本所間部家を継ぐことになりました。

詮綽の人生の中で、旗本としての役割を果たすために多くの政務に関与し、また家督も受け継ぎました。享保15年（1730年）5月7日には、本所間部家の家督を継承し、小普請の職に属しました。この職に就くことで、彼は家族の名誉と家業の維持に努めました。

その後、彼は元文5年（1740年）には書院番に任命され、同年の9月には駿府加番に昇進しました。延享2年（1745年）10月からは進物に関する事務を担当し、次の年には大坂目付代添という重要な役職に就任します。さらに宝暦8年（1758年）1月には使番へ異動し、その年の12月には布衣の着用を許可されるなど、着実に地位を高めていきました。

特に注目すべきは、宝暦9年（1759年）に浜松藩主・松平資昌が丹後宮津藩へ国替えをする際、詮綽が城の引き渡しの役割を任されたことです。この任務を果たしたことで、彼の名はさらに広まりました。

しかしながら、人生の後半には少々厳しい時期も訪れました。明和4年（1767年）4月、彼は病気を理由にたびたび職務に出仕できなかったため、出仕を咎められ小普請に左遷されましたが、8月にはその制裁が解除されました。

晩年は病に悩まされていたことが窺えますが、それでも彼は自身が持つ公の責任を全うしようとしました。明和8年（1771年）、彼は56歳でこの世を去り、その家督は養子である方元が継ぎました。

彼の生涯は、自身の家族とそれに纏わる名誉を重んじ、職務に全力を尽くしたものでした。彼の足跡は、後の時代に引き継がれ、江戸時代の旗本としての一つの模範と言えるでしょう。

脚注

• - 参考文献

続群書類従完成会『新訂寛政重修諸家譜』第二十二 八木書店、1966年。
竹内信夫「所謂「本所間部家」と「赤坂間部家」について」『地域史研究と歴史教育：森山恒雄教授退官記念論文集』 亜紀書房、1998年。

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