関空快速・紀州路快速

関空快速と紀州路快速：関西空港と和歌山を結ぶJR西日本の快速列車

JR西日本は、大阪環状線と関西国際空港駅、および和歌山方面を結ぶ快速列車として、関空快速と紀州路快速を運行しています。これらの列車は、大和路快速、みやこ路快速、丹波路快速と同様にJR西日本が設定する快速列車の種別であり、愛称名ではありません。

関空快速

関空快速は、1994年 6月15日、関西空港線の暫定開業に伴い、天王寺駅と関西空港駅間で運行を開始しました。当初は一部列車が日根野駅で折り返し、その後関西空港駅まで延長される形態でしたが、9月4日の関西国際空港開港と同時に、JR難波駅や大阪環状線への直通運転を開始しました。日中は天王寺駅～関西空港駅間で、京橋駅発着とJR難波駅発着の列車が併結運転されることもありました。1996年 3月23日から1998年3月31日までは、JR難波発着の列車に限り指定席が設定されていましたが、後に廃止されました。JR難波駅発着の列車は、2008年 3月15日のダイヤ改正で廃止されています。

紀州路快速

紀州路快速は、1999年5月のダイヤ改正で運転を開始しました。大阪環状線と和歌山方面の利便性向上を目的とし、関空快速と併結運転されるのが特徴です。それ以前は、日根野駅～和歌山駅間の列車は国鉄時代の車両が多く、快適性に課題がありましたが、紀州路快速の運行開始により大幅に向上しました。また、大阪駅への乗り換えが不要になったことで、阪和線沿線からの大阪北部へのアクセスが格段に向上し、潜在需要の掘り起こしに成功しています。

運行概要

関空快速と紀州路快速は、原則として大阪環状線天王寺駅～日根野駅間で併結運転されますが、単独運転される列車もあります。日中と夜間は1時間あたり4本の運転頻度を確保しています。日中は鶴ヶ丘駅、上野芝駅で普通列車を追い越し、東岸和田駅で区間快速と接続します。一部列車は、鳳駅、和泉府中駅、和泉砂川駅で特急列車の通過待ちを行います。

紀州路快速は、2011年3月12日のダイヤ改正以降、単独運転の8両編成や紀勢本線（きのくに線）直通列車も設定されています。2015年 3月14日改正で平日早朝に海南行き、2018年 3月17日改正で早朝に湯浅行き、深夜に御坊行きの列車が新設されました。紀勢本線内では普通列車として扱われています。2012年 3月17日のダイヤ改正では、平日ダイヤの京橋発和歌山行きの直通快速が紀州路快速に変更され、大阪環状線から和歌山方面への単独列車が初めて設定されました。

2008年 3月15日改正以前は、大阪環状線直通列車の大半が京橋駅発着で、天満駅・桜ノ宮駅を通過していました。しかし、改正後はこれらの駅にも停車するようになり、夕方以降は大阪環状線を一周して天王寺駅まで運転される列車が増加しました。2011年3月12日改正で大正駅、2012年 3月17日改正で福島駅が停車駅に追加されました。2016年 3月26日改正で大阪止まりの列車が設定されましたが、2021年3月13日改正で廃止されました。2018年10月改正以降、大阪環状線内（京橋～天王寺間）は普通列車として案内されるようになっています。

阪和線内では特急「はるか」や「くろしお」との速度差が課題となっており、一部紀州路快速は特急の通過待ちや接続待ちを行います。また、平日朝ラッシュ時には大阪環状線内を各駅停車する直通快速として運転されるケースもあります。

停車駅

停車駅は、天王寺駅、（大阪環状線各駅）、堺市駅、三国ケ丘駅、鳳駅、和泉府中駅、東岸和田駅、熊取駅、日根野駅、りんくうタウン駅（関空快速のみ）、関西空港駅（関空快速のみ）、（紀州路快速：（長滝駅）、（新家駅）、和泉砂川駅、（和泉鳥取駅）、（山中渓駅）、紀伊駅、六十谷駅、（紀伊中ノ島駅）、和歌山駅、（紀勢本線各駅）紀伊田辺駅などです。ラッシュ時の一部列車は、カッコ内の駅を通過します。大阪環状線内は原則、野田駅、芦原橋駅、今宮駅を除く各駅に停車します。

使用車両

全列車が吹田総合車両所日根野支所所属の223系0・2500番台、225系5000・5100番台で運転されています。当初は関空快速は6両編成または8両編成でしたが、2008年 3月14日より関空快速・紀州路快速とも4両編成+4両編成の併結運転が標準となりました。

旅客案内

使用車両は関西国際空港アクセス対応のため、英語対応の自動放送装置を搭載しており、関空快速の大阪駅～関西空港駅間（紀州路快速の日根野駅以北）で自動放送が実施されています。インバウンド増加に伴い、中国語、韓国語にも対応した4ヶ国語放送が導入されました。誤乗防止のための対策も強化されています。2014年度からは路線記号を掲出した種別幕も使用されています。

過去の関西空港アクセス快速列車

関空特快「ウイング」や、季節限定で運転されていた「ウエスト関空」など、過去には様々な関西空港アクセス列車が運行されていました。これらの列車は、利便性や利用状況などの要因により廃止されています。

年表

（1994年から2022年までのダイヤ改正などの歴史を年表で示す）

参考文献

（参考文献を列挙する）