阪正臣

阪 正臣の生涯と業績

阪 正臣（ばん まさおみ、1855年5月8日～1931年8月26日）は、明治から昭和にかけて日本の文化に多大な影響を与えた歌人・書家です。本名は坂 正臣、通称は丈右衛門であり、数つの号を持ちます。正四位勲三等の位を授与されました。

生い立ちと教育

愛知県名古屋に生まれた阪は、少年時代から文才に恵まれていました。彼は平田銕胤や権田直助の下で国学を学び、和歌は坂広雄や富樫広厚から指導を受けました。このような背景が、後の彼の詩作に大きな影響を与えました。

宮内省御歌所と教育活動

阪は、砥鹿神社や鎌倉宮、さらには伊勢皇太神宮など、様々な神社で奉仕活動を行い、その後、華族女学校の教授となります。また、宮内省の御歌所寄人として活躍し、大嘗祭の主基方歌作者としても名を馳せました。1922年に出版された『明治天皇御集』の浄書を手がけたことでも知られています。

書道と難波津会

阪は、御歌所長の高崎正風や大口周魚らと共に難波津会に所属し、上代様の仮名書道を研究しました。彼が手がけた仮名は、親しみやすく、穏健なスタイルで、多くの女子用書道教科書の手本として広まりました。また、彼は全国に25基ほどの石碑の書を手掛け、書道家としての名声を確立しました。

著作と遺産

阪の著作には『樅屋詠草』や『樅の小枝』、さらには『正臣歌集』などがあります。また、息子の阪匡身は父の遺作を整理し『樅屋全集』を編纂しました。匡身は海軍少将を務め、戦艦扶桑の艦長としてレイテ沖海戦で戦死しました。彼の死後は海軍中将に任じられました。

最後の時

阪正臣は青山霊園に眠っており、その業績は今なお多くの人々に影響を与えています。彼の書や歌は、日本の文化を支える重要な要素となっています。彼の功績は、後世にわたって語り継がれることでしょう。

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