防府南基地

航空自衛隊 防府南基地について

防府南基地は、山口県防府市中関に所在する航空自衛隊の基地です。この基地は、航空教育隊が配置されており、主に空士として採用された隊員の初等教育や、初任空曹に対する教育を担っています。基地内に飛行場施設は有していませんが、航空自衛隊の人材育成において重要な役割を果たしています。

基地の概要

基地司令は、航空教育隊司令が兼務しています。基地には、以下の部隊が配置されています。

航空教育隊司令部
第1教育群
基地業務群
防府地方警務隊

これらの部隊は、航空自衛隊の教育・訓練の中核を担っており、日々、隊員の育成に励んでいます。

歴史

防府南基地の歴史は、1943年（昭和18年）に開設された旧海軍の防府海軍通信学校に遡ります。その後、帝国陸軍の飛行場が開設され、終戦後はイギリス軍に接収されました。1954年（昭和29年）に自衛隊の基地として再編されて以降、以下のような変遷を辿っています。

1943年5月：防府海軍通信学校として開設。予科練の収容も開始。
1944年4月：帝国陸軍航空部隊の防府陸軍飛行場開設。
1945年7月：海軍兵学校針尾分校が防府に移転し、事実上防府分校となる。
1946年2月：イギリス連邦占領軍が防府飛行場に進駐。
1947年12月：オーストラリアのカンタス航空が定期便を就航。
1954年9月：第1教育隊が小月で編成。
1954年12月：防府飛行場がイギリス連邦占領軍から返還され、第1教育隊が小月から防府基地へ移動。
1955年2月：第1期公募空曹、第1航空教育隊に入隊。航空自衛隊幹部学校が浜松から移転。
1955年4月：第1期新隊員、第1航空教育隊に入隊。
1955年5月：第1期自衛隊生徒第1航空教育隊に入隊。
1959年6月：防府基地が南・北に分立し、防府南基地が発足。
1975年10月：婦人自衛官教育隊が入間で編成され、新隊員の教育開始。
1976年4月：一般空曹候補学生教育開始。
1982年12月：第1航空教育隊が廃止され、航空教育隊が編成。
1989年3月：航空教育集団新編に伴い、航空教育隊が同隷下に編合。
1990年3月：第1教育群に婦人自衛官教育大隊を編成。
1991年4月：空曹候補士教育開始。
2003年4月：婦人自衛官を「女性自衛官」に名称変更。
2010年4月：自衛隊初の女性基地司令が着任。

特徴

防府南基地の航空教育隊司令部庁舎は、正面が海（周防灘）を向いて建てられています。これは、基地の前身が海軍通信学校であったことを後世に伝えるためとされています。また、基地の開庁記念行事は、毎年5月下旬に開催されています。

関連事項

防府海軍通信学校（同地にかつて置かれていた）
* 防府南基地ホームページ

防府南基地は、航空自衛隊の教育の中核を担う重要な基地として、今日も多くの隊員を育成しています。

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