院生 (囲碁)

院生（いんせい）とは

院生とは、囲碁の世界でプロ棋士を目指す青少年が、特定の棋士養成機関に所属する際に用いられる呼称です。この制度は、日本棋院、関西棋院、韓国棋院、台湾棋院など、東アジアを中心とした囲碁が盛んな地域で採用されています。韓国では「研究生」と呼ばれることもあります。

年齢制限について

院生制度には、年齢制限が設けられていることが一般的です。例えば、日本棋院の場合、原則として14歳を迎える学年度が志願の期限とされています。ただし、14歳以上であっても、院生師範による棋力審査で特に有望と認められれば、入会が可能です。研修期間は原則として満17歳を迎える学年度までですが、関西総本部や中部総本部においては、特例として19歳まで延長される場合があります。外国籍の院生の場合は、採用年齢が25歳以下、研修満了が30歳までと定められています。

関西棋院では、入会年齢に制限はありません。しかし、男子は18歳、女子は20歳の誕生日を迎えると、院生資格を失います。

院生になる利点

院生になることの大きな利点の一つは、棋士採用試験における優遇措置です。日本棋院の場合、受験を認められた院生は、外来予選を免除されます。また、日本棋院の女流特別採用では、院生時代の成績が考慮されるため、院生経験者にとって有利な制度となっています。関西棋院では、かつては院生に限定して棋士採用を行っていましたが、2009年に研修棋士制度を導入し、その後2019年からは外来棋士制度に移行したため、研修棋士制度は廃止されています。

また、中野杯U20選手権など、若手棋士向けの棋戦では、院生に出場枠が設けられている場合があります。

院生になるには

院生になるためには、書類審査と試験碁、そして面接に合格する必要があります。一般的に、14歳で六段程度の棋力が必要とされています。

院生になると、院生研修がアマチュアの大会よりも優先されるため、アマチュア大会への参加は原則として不可能になります。高校生の大会などでは、院生経験者の出場に制限が設けられることもあります。

院生は、月謝などの納入を義務付けられますが、成績や家庭の事情によっては、授業料の免除や奨学金の支給・貸与が行われることがあります。

日本棋院では、院生は棋力別にAからFまでのクラスに分けられています。各クラスの人数は異なり、院生の氏名、序列、年齢、出身地、師匠などが公表されています。

年齢制限によって院生を辞めた後でも、外来予選に参加してプロ棋士を目指す道が開かれています。実際に、芝野龍之介のように、再挑戦でプロ棋士となった例も存在します。

日本棋院では、2023年から5歳から12歳までの有段者を対象とした「日本棋院研修会」を開始しました。この研修会の上位者は、院生への編入も可能です。

院生制度は、プロ棋士を目指す若者たちにとって、重要な育成機関としての役割を担っています。

関連項目

新進棋士奨励会 - 将棋のプロ棋士養成機関

外部リンク

『院生』 - コトバンク
Insei at Sensei's library
Korean-style insei league - KGS
* 院生天地

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