陣岳隆

陣岳隆（じんがく たかし）

プロフィール

陣岳隆は、1959年12月24日、鹿児島県曽於郡志布志町（現在の志布志市）に生まれました。本名を中山隆といい、井筒部屋（入門時は君ヶ濱部屋）に所属した元大相撲力士です。身長190cm、体重148kgという恵まれた体格を生かし、左四つ、突っ張り、吊りを主な得意手としていました。最高位は東小結（1987年11月場所）です。

趣味は映画鑑賞とゴルフで、血液型はB型。焼肉とアイスクリームが好物でした。

生い立ちと相撲への道

陣岳は、志布志町役場勤務の父と元陸上選手の母を持つ、スポーツ一家に育ちました。姉も実業団バレーボール選手として活躍していました。小学校から高校2年生までは剣道に打ち込み、その才能を開花させていました。その後、相撲に転向することを決意し、高校を2年生で中退し上京。元関脇・鶴ヶ嶺が率いる君ヶ濱部屋に入門し、1977年5月場所に17歳で初土俵を踏みました。同年12月には、師匠の名跡変更に伴い、君ヶ濱部屋が井筒部屋へと名称を変更しています。

四股名の「陣岳」は、故郷の志布志町にある同名の山（別名「陣の丘」、標高約270m）にちなんで名付けられました。

力士としての活躍

長身から繰り出す突っ張りを武器に、吊り、寄り、投げと、右四つに組んでも相撲を取ることができた陣岳。恵まれた体格に加え、当時の井筒部屋には逆鉾、寺尾、霧島など、稽古相手にも恵まれていました。順調に出世を重ね、1982年7月場所に十両昇進、1983年1月場所には入幕を果たし、志布志市初の関取となりました。

将来を嘱望されたものの、攻めの甘さから幕内上位では勝ち星を重ねることができませんでした。取り口も地味で、幕内での大勝ちには縁がなく、金星を獲得した場所も負け越してしまうという不運もあり、三賞を受賞する機会には恵まれませんでした。

小結には2度（1987年11月場所、1990年9月場所）昇進しましたが、いずれも大負けし、すぐに平幕へ陥落してしまいました。西前頭5枚目で迎えた1986年9月場所では9勝6敗の成績を挙げ、東関脇旭富士の大関昇進、西関脇栃乃和歌の関脇残留となるなか、東西の小結から東前頭4枚目までが大きく負け越したため、繰り上がる形で翌11月場所に初の三役（東小結）へ昇進しました。この時、同部屋の弟弟子である逆鉾も西関脇へ昇進したため、結果的に半枚の差で弟弟子に関脇昇進を阻まれた形となりました。

全盛期には、最大で6人（1989年3月場所）の幕内力士を擁した井筒部屋の隆盛を支えた一人として、その功績は大きいとされています。また、負傷が少なく、1977年7月場所の初土俵から1991年9月場所の引退まで、1036回連続出場という記録も残しました。

引退とその後

1991年9月場所、右膝を負傷して初の途中休場となり、この場所を最後に引退（番付上は同場所11日目付）。引退後は、年寄・春日山を襲名しましたが、翌1992年9月に弟弟子の元関脇・逆鉾が引退した際に、春日山の名跡を返却。他の年寄株を借りることができなかったため、同月限りで日本相撲協会を去りました。年寄としての期間が短かったため、引退相撲は行われませんでした。

引退後は、一時熊本県内で相撲料理の店を経営していましたが、その後は故郷に戻り、水産加工業者として働いています。

主な戦績

通算成績：499勝537敗9休　勝率.482
幕内成績：309勝396敗　勝率.438
現役在位：86場所
幕内在位：47場所
三役在位：2場所（小結2場所）
三賞：無し
連続出場：1036回（序ノ口以来、1977年7月場所-1991年9月場所（2日目））
金星:2個（北の湖：1984年9月場所、大乃国：1991年1月場所）

年寄変遷

春日山 隆（かすがやま たかし、1991年9月-1992年9月（廃業））

関連項目

小結一覧
* 鹿児島県出身の人物一覧

もう一度検索