陸仲亨

陸仲亨（りく ちゅうこう）は、生年不明ながら1390年に没した、元末から明初の時代を生きた武将です。彼の出自は濠州にあります。

17歳の時、陸仲亨は反乱によって家族を失い、わずかな麦を持って逃亡生活を送っていました。そんな中、彼は朱元璋と出会い、その誘いを受けて彼に帰順しました。1353年、朱元璋の指揮下で滁州を攻め、大柳樹の砦を奪取しました。さらに、和陽を攻略し、元軍を撃破、青山での反乱軍を鎮圧するなど、その武勇を発揮しました。

1355年、陸仲亨は朱元璋に従い長江を渡り、太平を占領、翌年には集慶を平定しました。1357年には、徐達に従って各地を転戦し、左翼統軍元帥に任命されました。陳友諒との戦いでは、数々の功績を上げ、驃騎衛指揮使に進みました。1364年には、常遇春に従って贛州を攻撃し、熊天瑞を降伏させました。これにより、彼は贛州衛指揮使に任命され、嶺南・嶺北の新たな州を統制する立場となりました。陸仲亨は兵の訓練にも励み、梅州、会昌、湘郷を攻略、各地の山賊を平定しました。

1368年、陸仲亨は廖永忠らとともに広東での作戦に参加し、多くの州県を平定しました。広州では廖永忠と合流し、元軍の盧左丞を降伏させました。その後、美東衛指揮使に転じ、江西行省平章に昇進しました。さらに鄧愈の後任として襄陽に駐屯し、同知都督府事に任命されました。1370年には、その功績により吉安侯に封じられ、世襲の権利も与えられました。しかし、唐勝宗とともに駅騎を勝手に使用した罪で指揮使に降格されますが、雁門での反乱を鎮圧したことで爵位を回復しました。

1379年、陸仲亨は周徳興、黄彬らとともに湯和に従って臨清で軍事訓練を行いました。しかし、その後逮捕され、京師に送られるも、間もなく釈放されました。1381年には成都に移鎮し、1382年には烏撒の諸民族が反乱を起こすと、傅友徳の下で鎮圧作戦に参加しました。1385年、巨津州で少数民族の首長である阿奴聡が反乱を起こすと、李栄、鄭祥らを指揮してこれを撃破し、逃亡した阿奴聡を捕らえて処刑しました。

しかし、1390年、陸仲亨は胡惟庸と共謀して反乱を計画したという疑いをかけられ、処刑され、その財産は没収されました。彼の息子である陸賢は汝寧公主を妻に迎えています。

陸仲亨は、朱元璋の天下統一に大きく貢献した武将の一人であり、その生涯は激動の時代を反映しています。

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