陸聚

陸聚（りく しゅう、生年不詳 - 1390年）は、元末から明初にかけて活躍した武将です。その生涯は、激動の時代を象徴するかのようでした。

元朝での活躍

陸聚は元朝において枢密院同知という要職に就いていました。1352年、元の丞相トクトが紅巾軍の芝麻李を破ると、彭大らが濠州に逃れました。この混乱の中、陸聚は徐州で流民を安撫し、城を修繕して防衛を固め、反乱軍の侵入を防ぐことに成功しました。この功績により、彼は地域での信頼を確立しました。

明朝への帰順と功績

1366年、徐達が張士誠の将である徐義率いる水軍を淮安で破ると、陸聚は徐州と宿州を率いて朱元璋に帰順しました。陸聚は江南行省参政に任じられ、引き続き徐州を守備。さらに兵を派遣し、沛、魚台、下邳、蕭、宿遷、睢寧といった周辺地域を平定しました。元のココ・テムルが李左丞を派遣して徐州に侵攻させると、陸聚は指揮官の傅友徳を派遣してこれを撃破し、李左丞を捕虜にしました。さらに宿州で元軍を破り、僉院の邢端らを捕らえました。これらの戦いで、陸聚は卓越した軍事指揮能力を示しました。

1370年、陸聚は徐達に従って山東を平定し、汴梁を攻略しました。その後、徐州に戻り、山東行省参政に転じました。さらに徐達に従い大都を平定し、大同、保定、真定を攻略。車子山や鳳山などの要塞を攻略し、井陘の故関を分守しました。徐達らと陝西で合流し、承天寨を攻め落とすなど、各地で戦功を重ねました。

その後

北征中に沂州と邳州で山民が反乱を起こしたため、陸聚は召還され、これを鎮圧しました。1370年、その功績から河南侯に封じられ、世襲の権利を与えられました。1375年には鄧愈とともに陝西で屯田を行い、守備兵を配置しました。1379年には湯和とともに臨清で兵を訓練し、その後福建での軍務を担当しました。南京に召還された後、鳳陽に邸を与えられました。

最期

しかし、1390年、陸聚は胡惟庸の党として処刑され、爵位を剥奪されました。彼の軍事的な才能は高く評価されていましたが、政治的な陰謀によってその生涯は終わりを告げました。

陸聚の生涯は、元末から明初という激動の時代を生き抜いた武将の姿を鮮やかに描いています。彼の軍事的な功績は、明朝初期の安定に大きく貢献しましたが、政治的な波に翻弄され、悲劇的な結末を迎えることとなりました。彼の名は、歴史の中に、栄光と悲劇を併せ持つ人物として刻まれています。

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