陸軍中野学校 密命

陸軍中野学校 密命

1967年6月17日に日本で公開された映画『陸軍中野学校 密命』は、大映が配給し、井上昭が監督を務めるスパイ映画です。この作品は、市川雷蔵が主演する『陸軍中野学校シリーズ』の第4作であり、他の作品と同様にスパイ活動をテーマにしています。このシリーズは、日本の戦時中の情報戦を描くことが意図されており、戦後のスパイ映画のスタイルにも影響を与えました。

あらすじ

物語の舞台は中国。主人公の椎名次郎は、スパイとして行動をしている最中、憲兵に捕まります。彼は日本の拘置所で厳しい拷問を受けていたが、そこで思わぬ運命が待ち受けています。偶然にも、元外相の高倉と出会うことになり、そこから物語は大きく動き始めます。椎名はその後、釈放されるものの、彼の逮捕には旧友である草薙中佐が絡んでいることを知ります。

草薙は意図的に椎名を逮捕させ、高倉との接触を図っていたのです。彼は軍の機密が高倉に関連しているのではないかと疑いを持ち、椎名と彼の陸軍中野学校の同期生と共に、高倉の周囲を調査することに。こうした人間関係と陰謀が絡み合い、サスペンスが高まっていきます。

配役

• - 市川雷蔵：椎名次郎
• - 加東大介：草薙中佐
• - 高田美和：高倉美鈴
• - 野際陽子：浅井夫人
• - 山下洵一郎：狩谷三吉
• - 千波丈太郎：小柳
• - 久米明：特高課長
• - 水原浩一：三枝
• - 伊達三郎：憲兵大尉
• - 浜田雄史：巡察将校
• - 黒木現：看守
• - 松田剛武：憲兵
• - フランツ・グレーベル：ウィンクラー大佐
• - 橘公子：まつ
• - 北龍二：坂上
• - 五味龍太郎：青年将校
• - 内田朝雄：大庭次官
• - 山形勲：高倉秀英

このように、豪華なキャストによって物語が展開され、視聴者に緊迫感を提供します。

スタッフ

本作の監督は井上昭氏で、企画には関幸輔氏が名を連ねています。撮影は今井ひろし氏、美術には西岡善信氏、音楽には斎藤一郎氏が担当しています。また、脚本は舟橋和郎氏によって執筆されました。映画制作の全般が、一流のスタッフによって支えられています。

併映作品

『陸軍中野学校 密命』は、大映によるもう一つの作品『悪名一代』と併映され、共に観客を楽しませました。

シリーズについて

『陸軍中野学校 密命』は、他の同シリーズ作品と合わせて、戦時中のスパイ活動を描いたものです。

• - 『陸軍中野学校』 (1966年6月4日) 増村保造監督
• - 『陸軍中野学校 雲一号指令』(1966年9月17日) 森一生監督
• - 『陸軍中野学校 竜三号指令』 (1967年1月3日) 田中徳三監督
• - 『陸軍中野学校 開戦前夜』 (1968年3月9日) 池広一夫監督

これらの作品は、日本の映画史において重要な役割を持ち、スパイ映画の金字塔とも言える存在です。『陸軍中野学校 密命』は、その中でも特にスリリングな展開が魅力で、観客に強い印象を与えた作品として評価されています。

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