陸麗

陸麗（りく れい）

陸麗は、生年不詳ながら北魏時代に活躍した官僚であり、本貫は代郡にあります。彼の生涯は、北魏の政治情勢が激動する時代を反映したものでした。

経歴

陸麗は陸俟の子として生まれ、太武帝の側近として仕え、特に太武帝からの信頼が厚かったとされています。彼の慎重な行動は、周囲からの信頼を得ていました。その功績から章安子の爵位を受け、南部尚書に転じました。

452年、太武帝が崩御し、南安王拓跋余が即位しますが、中常侍の宗愛らによって殺害されるという事件が起こります。この混乱の中、陸麗は長孫渇侯、源賀、劉尼らと共に宗愛一派を捕らえ、処刑するという功績を挙げました。その後、亡き皇太子の長男である拓跋濬（後の文成帝）を迎え、即位させました。

文成帝の即位後、陸麗は452年に平原王に封じられ、撫軍将軍の号を与えられました。その後も、侍中、撫軍大将軍、司徒公といった要職を歴任し、文成帝からの厚い信任を受けました。文成帝は彼に対し、子孫に妻を賜り、妃と号させるなど、数々の優遇措置を与えようとしましたが、陸麗は固辞しました。その謙虚な姿勢は、文成帝からの尊敬をさらに深めることとなりました。また、太子太傅も兼任し、皇太子の教育にも携わりました。

458年に父が死去した際には、陸麗は礼の規定を超えるほどの喪に服し、体を痩せ衰えさせるほど悲しみに暮れたと伝えられています。

465年、陸麗は代郡の温泉で療養中に文成帝崩御の報を受けました。側近たちは彼の身を案じ、引き留めようとしましたが、陸麗は聞き入れずに入朝しました。しかし、その直後、権力者の乙渾によって殺害されてしまいました。彼の死後、簡王と諡されました。遺体は金陵に陪葬されました。

妻子

陸麗は二人の妻を娶りました。

杜氏（陸定国を生む）
張黄龍（元は景穆太子の側女で、陸叡を生む）

そして、二人の息子がいました。

陸定国（? - 484年）: 長子。献文帝の時代に散騎常侍、東郡王、鎮南将軍を歴任。後に父の爵位を陸叡に譲りました。侍中・儀曹尚書、殿中尚書、司空などの要職を務めましたが、475年に法を犯して免官されました。しかし、太和初年には侍中・鎮南将軍・秦益二州刺史として復帰し、王爵にも返り咲きました。
陸叡：陸定国に爵位を譲られた。

伝記資料

『魏書』巻40 列伝第28
『北史』巻28 列伝第16

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