雄大雲

雄大雲（ゆうだいうん）とは

雄大雲（ゆうだいうん、学術名: congestus、略号: con）は、積雲の一種であり、特に発達した状態を指します。別名、雄大積雲とも呼ばれます。

積雲は、発達段階に応じて3つの雲種に分類されますが、雄大雲はその最終段階に位置します。大気の不安定な状態によって生じる強い対流により、雲は垂直方向へ大きく成長し、上部はもこもこと盛り上がった形状となるのが特徴です。雲底からの高さは通常2,000mから5,000m以上に達します。

雄大雲の特徴

形状: 輪郭がはっきりとしており、カリフラワーのような多数の膨らみがあるのが特徴です。上部は太陽光を浴びて白く輝き、雲底は水平で暗く見えます。
形成: 大気が不安定な層が厚く、不安定度が高いほど、積雲は成長します。扁平な形状の積雲（扁平雲）から、雲頂が盛り上がり上へ伸びる並雲へと発達し、さらに成長すると雄大雲となります。

雄大雲と積乱雲の違い

雄大雲と積乱雲は、どちらも垂直に発達する雲ですが、いくつかの重要な違いがあります。

雷や雹の有無: 雄大雲では雷（雷鳴や電光）や雹は発生しません。一方、積乱雲は雷や雹を伴います。
雲頂の形状: 雄大雲の雲頂は、少なくとも一部が輪郭がほつれたり毛状になったりしていません。積乱雲は氷晶の形成により、雲頂がもじゃもじゃとした状態になります。

雄大雲内部では、雲粒が雨粒へと成長しますが、雲が0℃以下の層に達すると、上部で氷晶が形成され始めます。氷晶は雪や霰へと成長し、雷を引き起こすような雲内の帯電が発生すると、雄大雲は積乱雲へと変化します。

雄大雲がもたらす現象

雄大雲は、強い雨、驟雨、驟雪、雪霰などの降水をもたらすことがあります。特に熱帯地域では、雄大雲からの驟雨が頻繁に見られます。

細長く伸びた雄大雲は、上部が次々と横に分離していくことがあり、分離した雲の塊は急速に崩れて尾流雲を伴うことがあります。

雄大雲の発生

雄大雲の多くは、積雲の並雲から変化したものですが、まれに高積雲や層積雲の塔状雲から変化して発生することもあります。

ラテン語名について

"congestus"はラテン語で「積み重ねる、積み上げる、蓄積する」を意味するcongerereの分詞に由来し、その形状を表しています。

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