雲取賞

雲取賞：南関東3歳ダートの登竜門

雲取賞は、東京都大井競馬場にて開催される地方競馬の重賞競走です。東京都最高峰の山、雲取山からその名を取っており、南関東3歳クラシック路線において重要なステップレースとしての役割を担っています。

重賞への昇格と格付けの変遷

2018年までは準重賞として行われていましたが、南関東3歳路線の充実を図るため、2019年にSIIIの重賞に格上げされました。同時に、レース距離も1600mから1800mに延長されました。この変更により、より本格的な3歳馬が挑む、重要なステップレースへと進化を遂げました。

重賞昇格後、初年度の勝ち馬ヒカリオーソは続く東京ダービーを、2年目の勝ち馬ゴールドホイヤーは羽田盃を制覇。2年連続で南関東3歳三冠競走の優勝馬を輩出するなど、その高いレベルを示しました。

さらに2024年からはダートグレード競走JpnIIIに格付けされ、その重要性はさらに増しました。同時に、羽田盃のトライアルレースに指定されたことで、雲取賞の勝ち馬は羽田盃への優先出走権を得ることになります。地方競馬の競走馬にとっても、中央競馬所属の馬にとっても、非常に魅力的なレースとなったと言えるでしょう。

出走資格と条件

出走資格はサラブレッド系3歳馬で、中央・地方競馬所属馬が対象となります。中央所属馬の出走枠は3頭と制限されています。

2024年版の負担重量は、賞金別定で56kgが基本です。牝馬は54kg、南半球産馬はさらに2kg減となります。また、賞金の上限を超えた馬は、中央所属馬は2月9日までに500万円、地方所属馬は同日までに1200万円を超えた場合、それぞれ1kg増となります。

賞金は1着2000万円、2着700万円、3着400万円、4着200万円、5着100万円と、非常に高額です。着外手当は20万円です。

優先出走権は、地方所属馬の上位2頭と、中央所属馬で5着以内に入った上位2頭に、羽田盃への優先出走権が付与されます。また、サンライズカップ優勝馬とJBC2歳優駿の地方最先着馬は、雲取賞または京浜盃のいずれかの選定において成績が重視されます。ただし、これは優先出走権ではありません。

過去の栄光

重賞格上げ以前にも、ロツキータイガー、サンライフテイオー、サプライズパワー、エスプリシーズなど、南関東競馬を代表する名馬が雲取賞を制覇しています。これらの名馬たちが築き上げた伝統と、新たな時代を切り開く若き才能との競演が、雲取賞の魅力となっています。

まとめ

雲取賞は、南関東3歳ダート路線における、最高の舞台と言えるでしょう。JpnIII格付け、羽田盃トライアルレース指定と、その重要性は年々増しており、今後の発展にも期待がかかります。多くの強豪馬が激突するこのレースは、競馬ファンにとって見逃せない一大イベントです。そして、将来のスターホースの発掘にも繋がる、重要なレースであると言えるでしょう。

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