青木神叔

青木神叔

青木神叔（あおき しんしゅく、生没年不詳）は、江戸時代前期、元禄期頃に活躍した俳人、俳諧師です。

人物・経歴

神叔は江戸の神道家であり、俳諧を北村季吟に学びました。その後、服部嵐雪の門下に移ったと考えられています。彼は江戸の石町（現在の日本橋本石町）に住んでおり、その隣家は奇しくも嵐雪の家でした。

嵐雪が編纂した俳諧集『或時集』には跋文を寄せています。この『或時集』は、松尾芭蕉の「軽み」の説を深川連衆が実践した『別座鋪』に対抗するものでした。嵐雪は当初『露払』という選集を企図しましたが、改題して『或時集』として刊行しました。神叔の跋文もまた、『別座鋪』の序文や巻末に対する皮肉を含んだものとされています。

元禄11年（1698年）に刊行された『歳旦牒』には、神叔らによる三つ物が収録されています。

嵐雪が没した宝永4年（1707年）には、嵐雪の高弟である高野百里が師の追善集『風の上』を刊行し、その中に神叔による「嵐雪伝」が掲載されました。嵐雪の出生地については、淡路とする説と江戸の湯島とする説がありますが、神叔の「嵐雪伝」は、嵐雪が江戸の湯島で生まれ、湯島天神の氏子であったことを明記しており、江戸湯島説の典拠となっています。この「嵐雪伝」について、潁原退蔵は「かなり詳しく、かつ最も確実性に富む」と評価しています。

代表句として、《我顔やしぐれてのぼる井戸の中》があります。

また、天野桃隣が元禄10年（1697年）に出した『陸奥鵆』には、神叔の肖像画が掲載されています。

参考文献

「俳文学大辞典」 尾形仂著、大岡信、島津忠夫、森川昭、草間時彦編、角川書店、1996年、ISBN 4-04-022700-X
「俳句人名辞典」 常石英明編著、金園社、1997年、ISBN 4-321-32701-6

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