韓昇洙

韓昇洙（ハン・スンス）

韓昇洙（ハン・スンス、한승수、Han Seung-soo）は、1936年12月28日生まれの韓国の政治家、外交官です。第39代国務総理を務めたほか、第13・15・16代国会議員を歴任しました。本貫は清州韓氏で、カトリック教徒です。

人物

江原道春川邑（カンウォンド・チュンチョンウプ）出身。延世大学校で政治外交学を学んだ後、ソウル大学校、イギリスのヨーク大学大学院で修士号と博士号を取得しました。その後、ヨーク大学、ケンブリッジ大学、ソウル大学経済学科で20年近く教鞭をとり、ハーバード大学や東京大学でも講義を行うなど、教育者としても国際的に活躍しました。また、政策研究大学院大学ではシニア・フェロー（特任研究教授）を務めるなど、日本国内でも活動しています。ベネズエラ、世界銀行、ヨルダン政府で財政顧問を務めるなど、国際舞台での経験も豊富です。

朴正煕（パク・チョンヒ）大統領暗殺後の第五共和国時代には、全斗煥（チョン・ドゥファン）大統領が設立した国家保衛非常対策委員会のメンバーとなりました。1987年には商工部貿易委員会初代委員長として初めて官職に就任。1986年から1987年には東京大学教養学部で客員教授を務めています。

1988年の第13代国会議員総選挙では、民主正義党から出馬し政界入りを果たしました。その後、民主自由党、新韓国党と党籍を変更。盧泰愚（ノ・テウ）政権下では商工部長官、ウルグアイ・ラウンド特別委員長などを歴任。文民政権である金泳三（キム・ヨンサム）政権下では、第15代駐米大使、大統領秘書室長、副首相兼第3代財政経済院長官、ハンナラ党経済政策委員会委員長を務めました。1996年の第15代総選挙では、新韓国党から再度当選を果たしています。

金大中（キム・デジュン）政権では再び外交の舞台で活躍し、列国議会同盟韓国理事会議長、第30代外交通商部長官、第56代国際連合総会議長などを歴任しました。2001年には、国連がノーベル平和賞を受賞した際、国連総会議長としてコフィー・アナン国連事務総長と共にノーベル賞授賞式に出席しました。2000年の第16代総選挙では、民主国民党から3回目の当選を果たし、後にハンナラ党に党籍を変更しています。

盧武鉉（ノ・ムヒョン）政権では、2005年から2014年平昌冬季オリンピック招致委員長を務め、2007年5月からは国連気候変動特使として活動しました。

2008年2月25日には、李明博（イ・ミョンバク）政権の初代国務総理に就任。同年7月22日には、仏教指導者の「竹島（韓国名：独島）のみならず対馬もかつて韓国の領土だった」という説に対し、竹島については同意しましたが、対馬については明言を避けました。同年7月29日には、日韓両政府が領有権を主張する竹島に現職首相として初めて上陸しました。

2019年12月には、柳韓財団の理事長として、北朝鮮出身の大学生70人に1人当たり300万ウォンの奨学金を支給しました。

親族

教育者の陸寅順（ユク・インスン）は岳母、元国会議員の金世淵（キム・セヨン）は娘婿にあたります。また、元国会議員の陸寅修（ユク・インス）は妻の叔父、朴正煕夫人の陸英修（ユク・ヨンス）は妻の叔母、元大統領の朴槿恵（パク・クネ）、社会事業家の朴槿令（パク・クンリョン）、実業家の朴志晩（パク・チマン）は妻のいとこです。元農水産部長官の張徳鎮（チャン・ドクチン）、元国会議員の尹錫民（ユン・ソンミン）は妻の姉妹の夫にあたります。

エピソード

元国連事務総長の潘基文（パン・ギムン）は、韓が駐米大使を務めていた際の駐米韓国大使館の政務公使でした。韓が2001年に国連総会議長に就任すると、潘を議長秘書室長兼国連副大使に抜擢しました。

アメリカのテレビアニメ『サウスパーク』のシーズン13には、各国の首脳の一人として登場しました。

もう一度検索