項羽と劉邦/その愛と興亡

映画『項羽と劉邦/その愛と興亡』

『項羽と劉邦/その愛と興亡』は、1994年に制作された中国・香港合作の歴史大河映画です。監督は冼杞然（スティーヴン・シン）、総監修は名匠・張芸謀（チャン・イーモウ）が務めました。本作の主なキャストには、鞏俐（コン・リー）、張豊毅（チャン・フォンイー）、呂良偉（レイ・ロイ）、關之琳（ロザムンド・クワン）などが揃っており、豪華な顔ぶれが話題となりました。

概要

本作は、紀元前3世紀の中国、秦王朝末期を舞台に、悲劇の英雄・項羽と初代漢の皇帝・劉邦という二人の運命を描いています。物語は、女性たち、特に呂雉の視点から展開され、彼女の内面的な葛藤と愛が中心テーマとなっています。脚本を担当したのは、張芸謀監督の『菊豆』や『秋菊の物語』を手掛けた劉恒（リウ・ホン）です。

物語のあらすじ

物語は、秦王朝が内乱によって疲弊し弱体化していく時代から始まります。主人公の呂雉は父に愛され、賢い娘として知られていますが、ある日彼女は劉邦という一介の亭長に恋をし、彼に身を捧げます。劉邦は呂雉の支えを受けて肩を並べ、秦を打倒するために立ち上がります。

同時期、将軍・項梁は甥の項羽を連れ、武勇に秀でた彼と共に反乱を起こします。彼らは戦いを続け、が、呂雉とその友人虞美人は秦軍に包囲されてしまいます。逃げ回る彼女たちは、最終的に項羽の陣営に駆け込み、そこで無垢な虞美人と出会い、彼女たちは姉妹の契りを結びます。

しかし、運命は残酷です。項羽は秦軍との壮絶な戦闘に挑みますが、実の姉妹のように仲良くなった呂雉と虞美人は、戦の影響でさらなる逃避行を強いられます。呂雉は夫の劉邦に救い出されるものの、虞美人は秦軍に捕らえられてしまいます。

その後、項羽は秦を滅ぼしますが、劉邦も同時に都を制圧してしまいます。この出来事により、項羽は劉邦への不信を抱くようになります。二人の関係は、最初は義兄弟の契りを結んだものの、徐々に深刻な対立へと移行していきます。

劇中では、項羽が虞美人を救うために絶望的な決断を下し、自ら火の中に飛び込むシーンが印象的で、彼女への愛がどれほど強いものであったかを物語っています。この情熱的で悲劇的な愛の物語が、多くの観客の心を捉えました。

配役

• - 呂雉：鞏俐（コン・リー）
• - 劉邦：張豊毅（チャン・フォンイー）
• - 項羽：呂良偉（レイ・ロイ）
• - 虞美人：關之琳（ロザムンド・クワン）
• - その他：范増（劉洵）、鍾離昧（徐錦江）、韓信（杜少津）、項梁（于海）、張良（金仕傑）

最後に

『項羽と劉邦/その愛と興亡』は、複雑な人間ドラマを通じて、中国の歴史と文化を深く探求する作品です。壮大なスケールで描かれた愛と戦の物語は、今なお多くの視聴者に強い印象を残しています。

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