館山 (館山市)

館山の概要

館山は、千葉県館山市の中央部に位置する地名で、単独町名として存在します。郵便番号は294-0036です。この地域は、かつての城下町としての歴史を持ち、海岸線と内陸部が組み合わさった地形が特徴です。

地理

館山は、汐入川の左岸に位置し、北西部は館山湾に面しています。北部には住宅地が広がり、海岸部には館山港の施設が集中しています。南部には小高い山があり、旧館山城の模擬天守を中心とした城山公園として整備されています。また、館山湾に浮かぶ陸繋島の高ノ島（鷹ノ島）と沖ノ島も館山に含まれます。

周辺地域との境界は、北から東にかけて長須賀、南東で上真倉、南から西にかけて沼と接しています。高ノ島は館山湾に面する北側以外を富士見に囲まれ、沖ノ島は南東部で富士見と接しています。

河川と海洋

館山の北東部には汐入川が流れ、長須賀との境界をなしています。また、館山湾に面しており、豊かな海の恵みを受けています。

歴史

館山の歴史は、天正8年（1580年）に里見義頼が館山城を築城したことに始まります。その後、里見義康が本拠地を移し、城下町として整備されたことで、館山は城を中心とする地域として発展しました。しかし、慶長19年（1614年）に里見氏が改易され、館山藩が廃藩となった際に館山城は破却されました。

江戸時代には、館山上町、館山中町、館山下町、新井浦、楠見浦、浜上須賀村、岡上須賀村、北下台村が成立し、これらは「館山三町四浦」と総称されました。1873年（明治6年）に千葉県に所属し、その後、町村合併を経て、1939年（昭和14年）に館山市の一部となりました。

沿革

館山の沿革をまとめると以下のようになります。

江戸時代: 安房郡真倉村内に館山三町四浦と北下台村が成立。
天明元年（1781年）以降: 館山藩領。
1873年（明治6年）: 千葉県に所属。
1875年（明治8年）: 浜上須賀村・岡上須賀村・北下台村が合併し、上須賀村となる。
1877年（明治10年）: 館山上町・館山中町・館山下町・新井浦・楠見浦・上須賀村が合併し、館山町となる。
1889年（明治22年）: 町村制施行により、安房郡館山町（初代）大字館山となる。
1914年（大正3年）: 館山町（初代）が豊津村と合併し、安房郡館山町（2代目）となる。
1933年（昭和8年）: 館山町（2代目）が北条町と合併し、安房郡館山北条町となる。
1939年（昭和14年）: 館山北条町が那古町、船形町と合併し、館山市となる。
1982年（昭和57年）: 館山城模擬天守が完成。
1983年（昭和58年）: 館山市立博物館が開業。
2010年（平成22年）: 館山港多目的観光桟橋が開業。
2011年（平成23年）: 旧千葉県立安房博物館が館山市に委譲され、「渚の博物館」として開業。
2012年（平成24年）: 「渚の博物館」を中心とする交流拠点施設 “渚の駅”たてやま開業。

交通

館山には鉄道路線は通っておらず、最寄りの駅はJR内房線の館山駅です。バス路線としては、JRバス関東や日東交通が運行しており、館山駅や周辺地域へのアクセスが可能です。道路としては、国道410号や千葉県道250号館山港線、千葉県道257号南安房公園線が通っています。

主な施設

館山には、以下のような主要な施設があります。

城山公園: 旧館山城跡に整備された公園で、模擬天守や梅園があります。
館山市立博物館: 本館と分館の渚の博物館があり、地域の歴史や文化を学ぶことができます。
“渚の駅”たてやま: 海辺に位置する交流拠点施設です。
館山港多目的観光桟橋: 館山夕日桟橋とも呼ばれ、観光客に人気です。
館山市立館山小学校: 地域の子どもたちが通う小学校です。
中央学院大学 館山セミナーハウス: 大学のセミナー施設。
館山公民館: 地域住民の交流拠点です。
その他: スーパーマーケット、コンビニエンスストア、金融機関などがあります。

海水浴場

館山には、新井海水浴場と沖ノ島海水浴場があります。これらの海水浴場は、夏になると多くの観光客でにぎわいます。

その他の史跡

館山には、館山城跡、館山藩陣屋跡、采女井戸、三福寺、長福寺、観乗院、館山神社、琴平神社、正木燈などの歴史的な史跡があります。また、高ノ島には鷹之島弁財天が、沖ノ島には沖ノ島宇賀大明神社があります。さらに、館山海軍航空隊水上班滑走台跡など、近代の歴史を伝える遺構も存在します。

これらの歴史や文化、自然が豊かな館山は、訪れる人々に様々な魅力を提供しています。

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