香港エクスプレス航空

香港エクスプレス航空（HK Express）について

香港エクスプレス航空は、香港に本拠を置く格安[[航空会社]]であり、キャセイパシフィック航空の完全子会社です。一般的には「HK Express」と表記されます。ハブ空港は香港国際空港です。

概要

2004年に設立された当初はフルサービス型の航空会社でしたが、2013年に格安[[航空会社]]へと業態を転換しました。かつては格安[[航空会社]]による航空連合「U-FLY Alliance」に加盟していましたが、キャセイパシフィック航空の傘下となったことで現在は脱退しています。

日本路線では、東京（羽田・成田）、大阪（関西）、名古屋（中部）、静岡、広島、高松、福岡、長崎（運休中）、熊本、鹿児島、沖縄、石垣、下地島（運休中）の14路線を運航しています。ブランドスローガンは、2019年から2023年まで「Your Move（あなたの移動手段）」、2023年からは「Gotta Go（さあ、行こう）」を掲げています。

歴史

設立から初の就航まで（2004年 - 2006年）

2004年3月10日に「港聯航空公司」として設立され、当初はマカオの実業家スタンレー・ホーが所有していました。同年7月には、ヘリコプター運航会社のヘリ香港が、香港エクスプレスを通じて固定翼機の運航を開始し、香港で4番目の航空会社となる計画を発表しました。

この頃には、中国本土へのリージョナルジェット便の導入を計画しており、ボンバルディア社とエンブラエル社との間で50席または70席のリージョナルジェット機をリースで調達する交渉を行っていました。2005年4月には、香港から中国の一部都市への旅客、貨物、郵便物の輸送許可を取得し、中国15都市への就航許可を申請しました。翌月には、重慶、広州、杭州、南京、寧波の5都市での定期便運航認可を取得しました。

2005年7月には、エンブラエル170型機の運航を開始するために航空運送事業許可を更新し、同月にはGEキャピタル・アビエーション・サービスからのリースでエンブラエル170型機4機のうち最初の1機が引き渡されました。これにより、アジアにおける初のリージョナルジェット機運航会社となりました。同機は2005年に2機、2006年5月に残りの1機が引き渡されました。

エンブラエル170型機は、2005年9月3日に台湾・台中へのチャーター便で初めて使用されました。2005年9月8日には初の定期便として広州行きの運航を開始し、同年10月には杭州行き、12月には寧波行きの運航を開始しました。2005年11月19日には、中国本土の16都市、サムイ島、沖縄、シェムリアップ、台中への定期便運航を開始し、チェンマイと重慶への定期便も、それぞれ2006年6月22日と7月31日に就航しました。

海航集団による買収と拡大（2006年 – 2013年）

2006年8月3日、海南航空を傘下に持つコングロマリットである海航集団が、株式45％を取得し、同グループの傘下となりました。2008年1月23日には、北京および上海発着便の運航を開始し、年末までにボーイング737-800型機を6機追加すると発表しました。

格安[[航空会社]]への転換（2013年 – 2019年）

2013年6月26日に、副CEOアンドリュー・コーウェンの指揮の下、格安[[航空会社]]への転換が発表され、英文での一般表記も「HK Express」に変更されました。同年10月27日に格安[[航空会社]]としての運航を開始し、アジア5都市に就航しました。その後、東京、ペナン、大阪、福岡、ソウル、釜山への路線を追加しました。2014年には、ハブ空港である香港国際空港の発着容量が限界に近づいたため、2～3年以内を目処に第2拠点の設立を検討していることが明らかになりました。また、同年にはエアバスA320型機を5機増やし、年内に総機材数を11機とする計画を発表し、2018年までに30機以上を保有することを長期目標として掲げました。

しかし、2017年の国慶節期間中に大阪、名古屋、ソウル行きの航空機18便を欠航させたことにより、2017年11月9日には香港民間航空局より2018年4月30日まで新規便、路線、機材の追加停止を言い渡されました。その後、既存路線のみの運行を条件に、新型航空機4機の納入が許可されました。

キャセイパシフィック航空による買収（2019年 – 現在）

2019年3月27日、キャセイパシフィック航空は香港エクスプレス航空を49億3,000万香港ドル（6億2,800万米ドル）で買収し、同年末までに取引を完了することに合意しました。当時、香港エクスプレス航空はエアバスA320型機23機を香港発 - 日本および東南アジア着便25路線で運航しており、純資産価値は11.2億香港ドル、2017年には6,000万香港ドルの利益を計上していましたが、2018年には1.41億香港ドルの損失を計上していました。キャセイは香港エクスプレス航空に対し現金で22億5,000万香港ドル（2億8,700万米ドル）を支払い、さらに同社が抱えていた26億8,000万香港ドルの負債を返済することを約束しました。その後、香港エクスプレスは加盟していたU-FLY Allianceから脱退しました。

買収完了後、香港エクスプレス航空はキャセイの完全子会社となりましたが、キャセイ側は買収後も同社を独立した格安[[航空会社]]として引き続き運営する意向であることを発表しました。

しかし、この買収に関して香港エクスプレス航空の会長である鍾國頌が難色を示し、売却する意向がないこと、訴訟を起こす可能性があることを示唆しました。買収は2019年7月19日に正式に完了しました。

新型コロナウイルス感染症による影響

香港エクスプレス航空は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行による需要減少のため、2020年3月23日から4月30日まで全便の運航を停止しました。その後、運航停止期間は6月10日まで延長されましたが、最終的には7月11日まで延長されました。その後運航再開計画を発表し、2020年8月2日より順次全運航を再開すると発表しました。

同社は香港でのパンデミックが続いている中で業績を回復させ、2021年8月には台湾・台北および高雄、2022年2月にはシンガポールへの新規就航を開始しました。

保有機材

香港エクスプレス航空の機材は以下の通りです（2023年10月時点）。

エアバスA320-200: 10機
エアバスA320neo: 10機
エアバスA321-200: 8機

退役機材

香港エクスプレス航空の退役済み機材は以下の通りです。

エンブラエル170
ボーイング737-800

就航都市

香港エクスプレス航空は、以下の都市に就航しています。

日本：東京（羽田・成田）、大阪（関西）、名古屋（中部）、静岡、広島、高松、福岡、沖縄
韓国：ソウル、釜山
タイ：バンコク、プーケット、チェンマイ
ベトナム：ダナン
カンボジア：プノンペン
フィリピン：マニラ
台湾：台北、高雄
マレーシア：クアラルンプール
シンガポール

かつて運航していた路線

日本：熊本、石垣、下地島、鹿児島
カンボジア：シェムリアップ
北マリアナ諸島：サイパン
シンガポール：チャンギ国際空港
マレーシア：コタキナバル、ペナン
ベトナム：ニャチャン

事件

現在までに、香港エクスプレス航空は死亡事故や機体損傷事故を起こしたことはありません。

2020年8月12日には、2機の運航していないエアバスA321が牽引中に衝突しました。

2023年1月3日には、香港から福岡へ向かっていたUO600便が、機内の気圧の変化により飛行開始40分後に35,000フィートから8,000フィート（10,700mから2,400m）まで降下し、その後香港国際空港へ引き返しました。なお、着陸は無事に行われました。

外部リンク

HK Express （日本語）
香港エクスプレス航空 (@HKExpressJP) - X（旧Twitter）
HK Express (@hk_express) - Instagram
香港エクスプレス (@hk_express_jp) - Instagram

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