馮該

馮該（ふう がい）

馮該（生年不詳 - 405年）は、東晋から桓楚にかけて仕えた武将です。激動の時代に各地を転戦し、数々の戦功を挙げましたが、最後は敗れて命を落としました。

生涯

馮該は東晋に仕え、揚威将軍に任じられました。彼の名は、太元11年（386年）の苻丕討伐戦で広く知られるようになります。

苻丕討伐戦

前秦の皇帝であった苻丕は、数千の兵を率いて洛陽への侵攻を企てました。これに対し、荊州刺史の桓石民は馮該に迎撃を命じます。馮該は見事に前秦軍を打ち破り、苻丕を討ち取るという大功を挙げました。さらに、皇太子苻寧、長楽王苻寿、左僕射王孚、吏部尚書苟操といった重要人物を捕虜とし、苻丕の首級とともに建康へと送りました。この功績により、馮該の名声は大いに高まりました。

桓玄への加担と各地での転戦

隆安3年（399年）には、広州刺史の殷仲堪と雍州刺史の楊佺期が反乱を起こし、江州刺史の桓玄と対立しました。馮該は桓玄に属し、襄陽へ逃走中の楊佺期とその兄である楊広を捕らえて殺害、首級を建康に送りました。さらに、殷仲堪を追撃して自殺に追い込み、殷道護を殺害するなど、桓玄のために奔走しました。

隆安5年（401年）には、桓振や皇甫敷とともに湓口の守りに就き、元興元年（402年）には、桓玄が司馬道子とその子の司馬元顕を倒すために建康へ進軍する際、襄城郡太守司馬休之が守る歴陽を攻めました。歴陽と洞浦の連絡路を遮断し、豫州の船艦を焼き払うなど、戦果を挙げ、司馬休之を敗走させました。

桓楚の成立と没落

元興2年（403年）に桓玄が桓楚を建国すると、馮該は鎮東将軍に任じられ、魚復侯に封じられました。しかし、その地位も長くは続きませんでした。元興3年（404年）には、輔国将軍何無忌が江陵へ侵攻し、馮該は鎮西将軍桓振とともに霊渓で何無忌に大勝しましたが、その後の戦況は悪化の一途を辿ります。

桓振は馮該に夏口の東岸を守らせましたが、冠軍将軍劉毅と振武将軍劉道規らに敗れ、輔国将軍桓仙客とともに石城へ敗走しました。義熙元年（405年）1月、桓振は衛将軍桓謙と馮該に江陵を守らせましたが、豫章口で劉毅と劉道規らに再び敗北。馮該と桓謙は城を捨てて逃走しましたが、建威将軍劉懐粛の追撃を受け、石城で討ち取られました。

人物評

馮該は、東晋末期から桓楚にかけての激動の時代を生き抜いた武将であり、その武勇と忠誠心は高く評価される一方で、主君を次々と変えるなど、時代に翻弄された人物とも言えるでしょう。彼の生涯は、当時の社会情勢を色濃く反映しており、歴史を考察する上で重要な人物の一人と言えます。

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