騎兵第2旅団 (日本軍)

騎兵第2旅団

騎兵第2旅団は、かつて千葉県習志野市に存在した旧日本軍の騎兵部隊です。この部隊は「騎兵の町・軍郷習志野」を象徴する存在の一つとして知られています。現在の習志野市泉町周辺に位置し、その歴史は明治時代にまで遡ります。

概要

騎兵第2旅団は、司令部と騎兵第15連隊、騎兵第16連隊で構成されていました。平時には第1師団に所属し、騎兵第1連隊を傘下に加えていました。しかし、1932年12月には、騎兵第16連隊の敷地が陸軍習志野学校に編入され、その役割を終えました。戦後、陸軍習志野学校の跡地は千葉大学腐敗研究所として一時的に使用されましたが、現在は空き地または住宅地となっています。一方、騎兵第15連隊の跡地は東邦大学付属東邦高等学校や住宅地として利用されています。また、八幡公園には1976年に建立された「習志野騎兵旅団発祥の地」の碑があり、その歴史を今に伝えています。

沿革

1899年（明治32年）：習志野の高津廠舎を仮兵舎として発足。
1901年（明治34年）11月20日：旅団司令部が千葉郡津田沼村大字大久保新田の騎兵第16連隊内に開設され、事務を開始。
1901年（明治34年）12月19日：隷下の騎兵第15連隊と騎兵第16連隊に軍旗が授与。
1902年（明治35年）：大久保にて編成を完了。
1902年（明治35年）4月4日：旅団司令部が津田沼村大字大久保新田の新築庁舎に移転。
1920年（大正8年）：機関銃中隊が設置。
1923年（大正11年）：軍備整理により、両連隊はそれぞれ1個中隊を削減され、各4個中隊となる。旅団は満州事変や支那事変（日中戦争）への出動はなく、戦時編成による機関銃隊や騎砲兵隊の編入もありませんでした。
1935年（昭和10年）：旅団内に騎砲兵大隊が設置され、翌年には騎砲兵連隊へと昇格。
1936年（昭和11年）：両連隊に各機関銃中隊が設置。
1941年（昭和16年）：騎兵部隊が全面的に機甲兵へと転換する中で、騎兵第2旅団は他の旅団に先駆けて解隊されました。

歴代騎兵第2旅団長（少将）

第1代：閑院宮載仁親王（1901年4月2日 - 1904年9月21日）
第2代：田村久井（1904年9月21日 - 1909年9月15日）
第3代：杉浦藤三郎（1909年9月15日 - 1912年4月26日）
第4代：吉田平太郎（1912年4月26日 - 1913年8月22日）
第5代：内田広徳（1913年8月22日 - 1915年8月10日）
第6代：永山元彦（1915年8月10日 - 1918年7月24日）
第7代：岡本功（1918年7月24日 - 1922年8月15日）
第8代：三好一（1922年8月15日 - 1923年10月10日）
第9代：福田義彌（1923年10月10日 - 1925年5月1日）
第10代：佐藤栄樹（1925年5月25日 - 1927年12月16日）
第11代：原田宗一郎（1927年12月16日 - 1930年8月1日）
第12代：飯島昌蔵（1930年8月1日 - 1931年8月1日）
第13代：高波祐治（1931年8月1日 - 1932年8月8日）
第14代：原常成（1932年8月8日 - 1933年3月18日）
第15代：蓮沼蕃（1933年3月18日 - 1934年8月1日）
第16代：笠井平十郎（1934年8月1日 - 1935年8月1日）
第17代：山岡潔（1935年8月1日 - 1936年3月7日）
第18代：内藤正一（1936年3月7日 - 1937年3月1日）
第19代：若松晴司（1937年3月1日 - 1938年7月15日）
第20代：高橋重三（1938年7月15日 - 1940年3月9日）
第21代：栗林忠道（1940年3月9日 - 1940年12月2日）
第22代：賀陽宮恒憲王（1940年3月9日 - 1941年7月1日）
第23代：藤田茂 大佐（1941年7月1日 - 1941年12月5日）

歴代連隊長

第15連隊

永山元彦 騎兵大佐（1909年9月15日 - 1910年12月23日）
平城盛次 騎兵中佐（1910年12月23日 - 1912年12月26日）
中島操 騎兵大佐（1912年12月26日 - 1914年8月22日）
中山民三郎 騎兵大佐（1914年9月2日 - 1916年5月2日）
吉橋徳三郎 騎兵大佐（1916年5月2日 - 1916年8月18日）
大関釥 騎兵中佐（1916年8月18日 - 1918年7月24日）
服部真彦 騎兵中佐（1918年7月24日 - 1920年8月10日）
丸尾順吉郎 騎兵中佐（1920年8月10日 - ）
和田由恭 騎兵大佐（1932年8月8日 - ）
秋山久三 騎兵大佐（1939年8月1日 - 1940年3月9日）
藤田茂 騎兵大佐（1940年3月9日 - 1941年7月1日）

第16連隊

森岡守成 騎兵大佐（1911年11月22日 - 1912年6月8日）
平佐眷弼 騎兵中佐（1912年6月8日 - 1913年8月22日）
田中国重 騎兵大佐（1913年8月22日 - 1914年8月22日）
奥野幸吉 騎兵中佐（1914年8月22日 - ）
河野恒吉 騎兵大佐（1919年7月25日 - ）
鈴木文次郎 騎兵大佐（1921年7月20日 - ）
武藤一彦 騎兵中佐（1922年8月15日 - 1924年12月15日）
茂木謙之助 騎兵中佐（1924年12月15日 - ）
吉田悳 騎兵大佐（1932年2月29日 - 1934年3月5日）
若松晴司 騎兵大佐（1934年3月5日 - 1935年8月1日）
山本寛 騎兵大佐（1935年8月1日 - ）

交通

京成本線京成大久保駅から徒歩10分

脚注

参考文献

『習志野市史 通史編』
司馬遼太郎 『坂の上の雲』
佐久間亮三・平井卯輔, 日本騎兵史,1968年11月24日発行
習友会, 開拓50周年記念誌「砂塵を越えて」, 平成7年
船橋市郷土資料館, 『地域研究資料3 薬園台の歴史 正伯物語』, 平成15年3月31日
船橋市郷土資料館, 絵はがき写真に残された明治～大正～昭和-, 平成17年3月23日
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

習志野
騎兵第1旅団 (日本軍)
陸軍騎兵学校
千葉県の軍事拠点や軍事史跡
騎兵連隊

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